小川紗良 (撮影/門間新弥、スタイリング/山田梨乃、スカート¥14,000/BELLE、イヤリング¥7,000、リング¥20,000/共にBLOOM/GOODNESS 表参道、その他スタイリスト私物 ※すべて税抜き) 
小川紗良 (撮影/門間新弥、スタイリング/山田梨乃、スカート¥14,000/BELLE、イヤリング¥7,000、リング¥20,000/共にBLOOM/GOODNESS 表参道、その他スタイリスト私物 ※すべて税抜き) 

「それこそ、自分で絵本を書いたり、歌を作ったり、祖母の家でいとこたちと演劇を披露したり……。高校から映像を、大学から映画に取り組みましたが、今もたぶん、その延長線上にいるんだと思います。大学を卒業し、これからは、本当にレールのないところにいくんだなと実感しています」

 その経歴のなかで、本誌の女子大生表紙モデルは少々異色だ。それまでモデルの仕事には興味を持ったことがなかったが、早稲田の先輩でもあり、独特の世界観を持つ写真家の川島小鳥さんが撮影すると知って応募したという。

写真集『未来ちゃん』『BABY BABY』が好きです。小鳥さんは、どんなとき、どんな場所、どんなものでも、そのいちばんかわいらしいところを切り取る方だなと感じていました。それがどうやって生み出されているのかを知りたいと思っていたんです」

 実際に撮影に臨んだ感想は?

「明るい夏の女子大生!みたいなイメージの表紙だと思っていたのに、こんなに鋭い目つきの写真が選ばれたのかと(笑)。斬新だなって思いましたし、自分にこんな一面があるのか、と驚きもしました。今でもふと、撮影中に小鳥さんに『死ね、って目をしてみて』と言われたことを思い出します(笑)」

 その経験は今、何かのかたちで生きているのだろうか。

「あの撮影の際、小鳥さんに『なぜ写真家になろうと思ったのか』と尋ねたら、『それ以外にできなかったから』とおっしゃったあと、『小川さんもそうでしょ?』と言ってくださったんです。大学に入学したとき、卒業したら自分はどうなっているんだろうって考えたりしましたけど、結局一度も就職しようとは思わないままだった。だから、この道なのかなって。小鳥さんの言葉に強く背中を押されたことが、今の私につながっています」

 今年も募集中の女子大生表紙モデルに向けてメッセージを頼んでみた。まっすぐな強い視線のまま、こう語った。

「女子大生って学校にも縛られていないし、社会にも出ていないし、いちばん自由で楽な時間だと思うんです。もちろん、みんな勉強とか、頑張っているものはあると思いますけど、その無責任さこそが、女子大生という存在の魅力なのかなって。何でもできる時期だからこそ、一度こういう世界に飛び込んでみるのもいいんじゃないかと思います」

 小川紗良の未来も、第2の小川紗良の誕生も、楽しみだ。(文/本誌・伏見美雪)

小川紗良 (撮影/門間新弥、スタイリング/山田梨乃、スカート¥14,000/BELLE、イヤリング¥7,000、リング¥20,000/共にBLOOM/GOODNESS 表参道、その他スタイリスト私物 ※すべて税抜き) 
小川紗良 (撮影/門間新弥、スタイリング/山田梨乃、スカート¥14,000/BELLE、イヤリング¥7,000、リング¥20,000/共にBLOOM/GOODNESS 表参道、その他スタイリスト私物 ※すべて税抜き) 

週刊朝日  2019年4月26日号