桜の淡雪羹(撮影/写真映像部・松永卓也)
桜の淡雪羹(撮影/写真映像部・松永卓也)

 料理研究家の黒田民子さんが教える「家つまみでひとやすみ」。今回は「桜の淡雪羹」。

【作り方のワンポイントアドバイスを写真で紹介!】

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 みなさんの街ではもう桜が咲き始めましたでしょうか? テーブルに桜を咲かせる淡雪羹。友人を家に招いて春らしく、手作りのお菓子でおもてなししましょう。

 作り方にはいくつかコツがあります。まずは寒天を十分に煮溶かすようにしてください。そこにグラニュー糖を加えたら、ムラが出ないようザルで漉(こ)しながら別鍋に移します。香り付けにはオレンジのリキュールを使いましたが、ブランデーなどお好みでどうぞ。

寒天液の1/4量を別のボウルに取り置き、箸先に少量の食紅を付けて混ぜる。(撮影/写真映像部・松永卓也)
寒天液の1/4量を別のボウルに取り置き、箸先に少量の食紅を付けて混ぜる。(撮影/写真映像部・松永卓也)

 寒天液ができたら1/4量をボウルに移し、箸先にほんの少し食紅をのせて加え、色付けします。いっぽう白い淡雪羹は卵白を泡立て、残りの寒天液を少しずつ加えながらさらに泡立てます。冷めると固まるので、温かいうちに作るようにしてください。

卵白入りの寒天液が少し固まったら桜の花を飾り、薄紅色の寒天液を流し入れる。(撮影/写真映像部・松永卓也)
卵白入りの寒天液が少し固まったら桜の花を飾り、薄紅色の寒天液を流し入れる。(撮影/写真映像部・松永卓也)

 型に入れる際は、まず白い寒天液を流し、トントンと空気を抜きながら平らにします。少し固まったら桜の花を飾り、薄紅色の寒天液を流し入れます。冷やすと硬くなるので、常温で固めるとやわらかな淡雪羹が楽しめますよ。

(構成/沖村かなみ)

■桜の淡雪羹

【材料】(5~6人分)寒天1本(約8g)、水400ml、グラニュー糖100g、卵白1個分、桜の花の塩漬け適量、リキュール大さじ1、食紅少量

【作り方】(1)桜の花の塩漬けを30分ほど水にさらし、ペーパーで水気を取る。寒天はさっと洗い、5cm幅に切って水で戻し、水を切る。(2)鍋に水と寒天を入れ、中火で煮溶かす。グラニュー糖を加え、沸騰したら火を止め、ザルで漉しながら別の鍋に移す。(3)(2)を2分ほど煮詰め、リキュールを加えて混ぜ、火を止める。(4)(3)の1/4量を別のボウルに移し、食紅を少量加え、混ぜる。(5)卵白をツノが立つまで泡立て、残りの寒天液を少量ずつ卵白に加えながら泡立てる。(6)型に(5)を流し入れる。少し固まったら桜の花を飾り、(4)を流し入れて固める。

【ワンポイントアドバイス】寒天液の1/4量を別のボウルに取り置き、箸先に少量の食紅を付けて混ぜる。

卵白入りの寒天液が少し固まったら桜の花を飾り、薄紅色の寒天液を流し入れる。

黒田民子(くろだ・たみこ)/1947年生まれ。料理研究家。All
黒田民子(くろだ・たみこ)/1947年生まれ。料理研究家。All About「ホームメイドクッキング」ガイド。旬の素材を生かした家庭料理のレシピが幅広い世代に支持されている。趣味は美術館巡り

週刊朝日  2023年3月31日号

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黒田民子

黒田民子

黒田民子(くろだ・たみこ)/1947年生まれ。料理研究家。All About「ホームメイドクッキング」ガイド。旬の素材を生かした家庭料理のレシピが幅広い世代に支持されている。趣味は美術館巡り。

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