ヒーローインタビューを終え、観客席に手をふりながら引きあげる大谷翔平
ヒーローインタビューを終え、観客席に手をふりながら引きあげる大谷翔平

日本列島が「侍ジャパンフィーバー」で盛り上がっている。ビデオリサーチ調べによると、10日に行われたWBC1次ラウンド・韓国戦の平均世帯視聴率は関東地区で44.4%。WBC中継の中で、初代チャンピオンに輝いた06年WBC決勝・キューバ戦の43.4%を上回り、歴代1位の記録に。昨年のサッカーW杯カタール大会の日本-コスタリカ戦が平均世帯視聴率42.9%だったが、この数字も上回った。1次ラウンドの侍ジャパン4試合は世帯視聴率がいずれも40%を超えた。

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 民放テレビ関係者は驚きを隠さない。

「サッカーW杯はアベマで見ていた視聴者も多いので一概に比べられないが、ネット配信がある時代で40%超えの数字を連日叩き出しているのは驚異的です。侍ジャパンが注目されているのは、普段野球を見ない視聴者を振り向かせていることです。ダルビッシュ有(パドレス)と大谷翔平(エンゼルス)の存在が非常に大きい。ダルビッシュは宮崎の強化合宿から他の選手と積極的にコミュニケーションを取り続けて、メディアに話題を提供してくれた。大谷は存在が別次元です。イチローのような存在ですね。一挙手一投足が注目され、想像を超えるパフォーマンスを見せてくれる」

 侍ジャパンが人気を集めているのは、1次ラウンド4試合にファンを魅了させるストーリーが存在したからだろう。初戦の中国戦は大谷が先発登板して4回1安打5奪三振無失点の快投。打撃でも2点適時打を放つなど二刀流の活躍で8-1と白星発進を飾った。2戦目の韓国戦は過去のWBCで4勝4敗と互角で、先発のダルビッシュが3回に3点を先制されたが、打線が奮起。韓国の投手陣から大量得点を奪って13-4と快勝した。

 3戦目のチェコ戦も10-2と快勝したが、全力プレーと日本に敬意を表するチェコの選手たちの姿勢が話題に。国内にプロリーグがなく、多くの選手は高校教諭、消防士など仕事をしながらアマチュアリーグでプレーしている。こういった背景を知ることができるのも、国際大会の醍醐味だ。4戦目の豪州戦も大谷が初回に右中間看板直撃の3ランを放つなど、7-1で4連勝と圧倒的な強さを見せた。

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