壁には塾生同士の展覧会「似っ展」に出品した作品。インスタグラム(@nigaoyeh)でも作品を発表している
壁には塾生同士の展覧会「似っ展」に出品した作品。インスタグラム(@nigaoyeh)でも作品を発表している

 山藤章二塾長から松尾貴史塾長へとバトンタッチして初めての選考会。今年の似顔絵大賞は、静岡県の柴田潤一さん(59)に決定しました。柴田さんは投稿歴27年の大ベテラン。塾長と審査員を「今年、一番笑える似顔絵」と大いに沸かせた一枚の作者に迫りました。

【似顔絵を見る】審査員に絶賛だった、柴田潤一さんの大賞作品がこちら

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 ゲストの立川志の輔さんが、「何回見ても『うん、そうだよな。尾上松也さんだよな』とうなずいてしまう」と絶賛した大賞作品。

 柴田潤一さんに受賞を知らせると、「今年は入選が少ないし、まったく期待していませんでした」という言葉が返ってきた。

 柴田さんが入選が少ないとすぐにわかるのは、投稿枚数・モデル・入選の有無をエクセル表で管理しているため。投稿歴27年、応募総数は約2700枚、計313回の掲載歴を誇る。特待生昇格の際には、山藤塾長から「モデルの個性を着実に表現(略)毎場所10勝して関脇の座を譲らない力士」と評された実力派でもある。ただ、似顔絵大賞は優秀作品賞に複数回選ばれつつも、届かなかった。「もう自分には無理だと思っていたので、本当にうれしいです」

 似顔絵は、モデルの「完成イメージに近い写真」を毎日、インターネットで探すところからはじまる。「たとえば長嶋一茂さんだったら、真面目な顔よりも笑顔や共演者から突っ込まれてブスッとしている表情の写真を探します。今回の尾上松也さんは写真を探すうちに、白塗りにするのが似顔絵塾らしいかと思いつきました」

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