世界に大きな驚きを与えた森保監督
世界に大きな驚きを与えた森保監督

 カタールW杯で、史上初のベスト8進出が届かなかった日本代表。グループリーグで優勝候補のドイツ、スペインを破る快進撃を見せたが、決勝トーナメント1回戦でクロアチアにPK戦の末、敗れた。

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 グループリーグで神がかった采配を見せた森保一監督の評価が急上昇し、続投に向けての機運が高まっている。今後は技術委員会が戦いぶりを分析した上で、次期監督を選考する。日本代表を取材するスポーツ紙記者は「森保監督の続投が基本線になるでしょう。選手との信頼関係を構築し、このまま終わるのはもったいない。今回のW杯で監督としても一回り成長したと思います。ドイツ、スペインを撃破したことは大きな自信になったはず。4年後にさらに上を目指すために、修正点や課題を見つめ直して改善することで、さらにレベルアップを図れる。三笘薫、堂安律、久保建英ら東京五輪組を中心に伸びしろがある選手がそろっているので、チームをどう構築するか楽しみです」と語る。

 ドイツ、スペインを破った戦いぶりは世界に大きな驚きを与えたが、過去の戦いぶりと比べて戦術に目新しさがあるわけではない。10年の南アフリカW杯では当時の岡田武史監督が、本大会直前に堅守速攻の戦いにシフト。1トップに本田圭佑を据え、相手にボールを保持される時間が長かったが、セットプレーなど少ないチャンスを生かしてグループリーグを突破した。18年のロシアW杯は、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の下でアジア予選を勝ち抜いたが、選手との意思疎通が問題視されて解任の事態に。西野朗監督が急遽就任し、守備的戦術からショートカウンターで得点を狙う形を構築し、ベスト16に進出した。

 サッカー雑誌の編集者は「アジア予選ではボールを保持できるが、世界の強豪相手には厳しい。でもその壁を破って攻撃の形を作らないと、ベスト8の壁は破れない。三笘、堂安、久保、鎌田大地と個々の能力が高い選手がそろっていますし、世界の強豪国相手に主導権を握るサッカーをやりたいなら、名将と呼ばれる外国人監督を招聘するべきだと思います」と訴える。

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