ハリー王子夫妻のドキュメンタリー番組が公開され、ネットフリックスでは過去最高の視聴者数を記録した(PA Images/アフロ)
ハリー王子夫妻のドキュメンタリー番組が公開され、ネットフリックスでは過去最高の視聴者数を記録した(PA Images/アフロ)

 ハリー王子(38)とメーガン妃(41)のドキュメンタリー番組「ハリー&メーガン」(ネットフリックス)がヒットしている。だがその内容を巡って、英王室関係者だけでなく英国民からも反発を招いている。予告編で夫妻は「真実を知っているのは我々だけ」「リスクが大きいので、私たちから聞いた方がよい」と煽ったが、ツッコミどころ満載で、エリザベス女王を侮蔑するようなシーンまで含まれていた。

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 番組は全6話。8日に前半3話が公開された。1話あたり1時間で、夫妻や友人らのインタビューを軸に、過去の映像をちりばめて構成している。英調査会社によると、英国では配信初日の視聴者数がテレビだけで240万人に達し、ネットフリックスが手がけた全作品の最高視聴者数を更新。英王室を扱った「ザ・クラウン」の最新シリーズよりも上回ったという。夫妻は2020年9月にネットフリックスと番組制作に関する複数年契約を結び、同社は200億円以上を支払ったとされる。「ハリー&メーガン」はその第一弾だ。

 番組で王子は「家族を守りたかった」「歴史が繰り返されるのが怖かった」と語り、ダイアナ元妃がパパラッチに追い回される様子が映し出された。王子夫妻も彼らの標的にされていると訴えたかったようで、2人にカメラが向けられているシーンも多数盛り込まれた。

 しかし、ある映像では、無数のレンズの先には、夫妻ではなくハリー・ポッターの上映会に登場した人気俳優の姿があった。南アフリカのツツ大主教を、長男アーチー君を連れて訪問した時の映像では、高いバルコニーからカメラマンが3人の後ろ姿を狙っている。いかにも盗撮に見えるこの一枚は、大主教にも夫妻にも許可を得た公式カメラマンによるものだった。その一人が「自分はその中にいました。これは茶番だ」と証言した。

 また、王子がパパラッチに向かって手を広げ撮影を拒否する場面は、元カノのチェルシー・デイビーさんと一緒の時のものだった。さらに、トランプ元大統領の弁護士や、飲酒運転で逮捕された俳優など、2人には無関係な写真がパパラッチに追われる姿として堂々と使われている。

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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