ゴジラ(イメージ)
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 米国の金利高や歴史的な円安で金融市場の先行きを見通すのは難しい。それでも、株式相場では一定の季節やイベントの時に注目を集める銘柄がある。先回りして値動きをつかむための投資法を探ってみよう。

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「向こう3カ月(12月から来年2月)の降雪量は、(北日本=北海道、東北地方を除く)東日本と西日本の日本海側(九州北部地方を除く)では平年並みか多いでしょう」

 気象庁が11月22日に発表した「3カ月予報」によると、この冬は例年と同じくらいか、寒くなりそうだという。太平洋の東側の赤道付近(南米沖)の海面水温が低くなる「ラニーニャ現象」が続き、寒気を運んでくるシベリア高気圧が日本側に張り出す冬型の気圧配置が強くなるためだ。昨冬が寒かったのも、このラニーニャ現象が原因だったとされる。

 この秋は暖かい日が多かった。しかし、これから一転して厳しい冬への備えが必要になりそうだ。

 厳冬や豪雪だと、寒さをしのぐための暖房器具や携帯カイロ、自動車のすべり止め用のチェーンやスタッドレスタイヤといったモノがよく売れる。そのため株式市場でも、こういった商品を作ったり扱ったりする会社の株式に注目が集まる。業績アップが期待できるからだ。株式評論家の坂本慎太郎さんは言う。

「相場では、厳冬といえば石油ファンヒーターを手がけるダイニチ工業やコロナが連想されやすい。シャベルの老舗、浅香工業は除雪向けシャベルの売れ行きがよくなるし、ほかの除雪用品も手がけています。自動車用品専門店『オートバックス』を全国に展開するオートバックスセブンはスタッドレスタイヤやチェーンを扱う。除雪用品や防寒具を扱うホームセンター株も狙い目でしょう」

 ただし、投資する上では注意も必要という。坂本さんは続ける。

「『厳冬』など、よく取り上げられるテーマの関連銘柄は、相場でもある程度広く知れわたっているケースが多い。また、実際に厳冬だった場合に、それぞれの業績にどう影響したかがわかるのは、四半期決算が発表される3カ月後。精度がよい投資法だとは言い難い」

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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