中川大志(なかがわたいし)/ 1998年生まれ、東京都出身。2009年に俳優デビュー。ドラマ「家政婦のミタ」の長男役やNHK連続テレビ小説「なつぞら」のヒロインの夫役などで注目を集め、「真田丸」「鎌倉殿の13人」など数々の大河ドラマにも出演している。19年に第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。公開待機作に、映画「ブラックナイトパレード」(12月23日公開)、映画「スクロール」(23年2月公開予定)など。(COVER
中川大志(なかがわたいし)/ 1998年生まれ、東京都出身。2009年に俳優デビュー。ドラマ「家政婦のミタ」の長男役やNHK連続テレビ小説「なつぞら」のヒロインの夫役などで注目を集め、「真田丸」「鎌倉殿の13人」など数々の大河ドラマにも出演している。19年に第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。公開待機作に、映画「ブラックナイトパレード」(12月23日公開)、映画「スクロール」(23年2月公開予定)など。(COVER STAFF 撮影/桑島智輝 ヘアメイク/佐鳥麻子(Vitamins) スタイリング/徳永貴士(SOT) アートディレクション/FROG KING STUDIO 衣装協力 ジャケット¥106,700 パンツ¥59,400/カズキ ナガヤマ(スタジオ ファブワーク)シャツ¥33,000/ネオンサイン その他スタイリスト私物)

 どれだけの期待が、24歳の若きスターに注がれているのか。初の本格舞台で、11月6日に開幕する音楽劇「歌妖曲~中川大志之丞変化~」は、自身の名を冠し、昭和の歌謡界で繰り広げられる愛憎をえぐりだす濃密な物語。演じるのは、醜い容姿と不遇な宿命を呪う主人公・鳴尾定(なるおさだむ)と、彼が一族への復讐を胸に変身した美貌の歌手・桜木輝彦だ。11歳で子役としてデビューしてから、どんな大役にも怯(ひる)まず、重圧をはね返してきた中川。その強さの源とは。

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──本格的な舞台作品への出演は初めてですね。

 未知への挑戦にはなりますが、そこにのまれないことをテーマにしています。わからないことも多いし、映像の現場とは勝手がちがいますが、芝居をすることに変わりはないと思うので。もちろん舞台だからこその表現はたくさん見つけたいなと思っています。ただあまり怯(おび)えず構えすぎず臨んだほうがいいのではないかなって。

 がむしゃらにやってみた先にどういう景色が見えるのか、楽しみにしています。学生のころ、先生が言っていた、「自分がもうだめだと思ったその瞬間が本当の始まりなんだよ」という言葉をよく思い出します。そのときは眠そうに聞いてたんですけど(笑)、この仕事をしていくなかで、自分が思う限界ってたかが知れているなってすごく思います。

 乗り越えた先に、こんな力あったんだ!ってびっくりするんですよね。そう考えたら自分に期待できる。リミッターをつけているうちはそのゾーンには行けないので、飛びこむしかないなと。

──普段から、役になりきるために心がけていることは?

 自分ではない誰かを演じるので、自分の経験とか記憶から、僕自身と役が重なる部分、感情が動くスイッチみたいなところを発見していけたらいいなと考えています。見てもらう人には、作られた世界、想像上の世界を信じてもらわないといけない。やっぱり自分が信じられていないものはお客さんも信じられないと思うので。

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