躍進のキーマンに挙がる南野拓実
躍進のキーマンに挙がる南野拓実

 11月20日にカタールで開幕するサッカーワールドカップ(W杯)に7大会連続出場となる日本代表が挑む。強豪国を相手に厳しい戦いが予想されるが、26人の選手たちはどう戦うのか。長く取材を続けるジャーナリストに躍進の秘訣を聞いた。

【写真】今回の落選が議論の的になりそうな選手といえば

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 日本代表はグループリーグ(GL)で、ドイツ(23日)、コスタリカ(27日)、スペイン(12月1日)と対戦する。4月にカタール・ドーハで行われた組み合わせ抽選会で、日本は欧州の強豪2国と同組に決まった。果たして、GLを突破して、初の8強入りを果たせるのか。

 代表メンバー26人が1日に発表された。森保一監督が読み上げたメンバーから、大迫勇也や原口元気といった、これまで代表に大きく貢献してきた選手が外れるといった“波乱”もあった。メンバー選出をどう評価するか。2006年のW杯ドイツ大会から現地取材を続けるスポーツライターの栗原正夫さんは「選出に驚きはなかった」と話す。

「森保監督は継続性を重視する監督。大迫選手は今年2月を最後に代表に呼ばれていませんでしたし、驚きの選出と捉えられた柴崎(岳)選手については、9月のドイツ遠征メンバーに選ばれていたことを考えても順当といえる」

 大迫は敵陣で体を張ってボールを保持し、味方が前線に上がる時間を稼いでくれる選手だ。一方で、選出されたフォワード(FW)陣の顔ぶれを見ると、前田大然、浅野拓磨はスピードに特徴があり、カウンター攻撃に適した選手が並ぶ。大迫の落選はカウンター一辺倒で戦うというメッセージなのか。「大迫の落選に疑問を覚える」と漏らすのは、元週刊サッカーダイジェスト編集長でサッカージャーナリストの六川亨さんだ。

「上田(綺世)選手はどちらかと言えば大迫選手と同タイプとはいえ、代表での経験は浅く、大舞台でどこまでできるかは未知数。森保監督は自ら戦い方の幅を狭めたも同じで、前線でボールを収める選択肢を放棄したのかと。劣勢が予想される中でカウンターに賭けるということなのだろうが、戦い方がワンパターンでは相手チームも対処がたやすい」

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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