岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office

 動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、北海道の江別市の「おばにゃんは同い年」です。

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 牧場の朝は賑やかだ。子牛のために牛乳を用意していると、子ネコたちが集まる。バケツからこぼれるミルクを浴びながら飲む子もいれば、取り分けてもらい上品に飲む子もいる。

撮影/岩合光昭 (c)Mitsuaki
撮影/岩合光昭 (c)Mitsuaki Iwago

 牛舎にはネコの大家族が暮らしていた。ネズミ退治が上手な1匹のメスが子を産み、その子たちも母となり、家族が増えていった。ミルクを飲む生後約1カ月の三毛・えくぼとオスの黒ネコは、おばさんと甥の関係だ。

 この家族の2年間を映画にした。まだネコが牛舎に入れたころ、かけがえのない時間だった。

※現在は畜舎での愛玩動物の飼育は禁止されている。

週刊朝日  2022年11月4日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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