前回監督の2005年以来のリーグ優勝を目指す
前回監督の2005年以来のリーグ優勝を目指す

 今まさに日本シリーズでヤクルトと対戦中のオリックスの関係者が、こう言っていたという。

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「自信満々だったけど、そんなに簡単に勝てないのでは……」

 かつてオリックスでも監督を務め、10月16日に阪神監督就任会見を行った岡田彰布氏(64)のことだ。2008年以来の阪神監督復帰となる。

「野球観、勝負勘は秀でてるけど、問題は周囲との信頼関係です」(オリックス関係者)

 オリックス監督時代は1年目から毎年、シーズン中にコーチを更迭していた。3年目には自分が解任されたのだった。ベテラン記者が解説する。

「自分が全て正しい、という人ですから。お前ら何言うてる! 何をやってるんや!という姿勢で周囲に迫るのでギクシャクしますよ。最後の頃はフロントともグチャグチャだったようで、球場に行ったらクビだってリリースを見せられて、これを出します、と言われ、そこでまたキレた、という終わり方でしたよね」

 ベテラン虎番記者は岡田新監督を、こう評す。

「久しぶりに阪神の監督に復帰して引っ張りだこで、わが世の春でしょ。あちこちでうれしそうにしゃべりまくってます。相変わらず上から目線の言い方でね。テレビやラジオに解説者として出てて、采配について『あ~あ、何でやねん?』とぼやくのは、岡田さんぐらいですからね(笑)」

 阪神の選手たちは今、

「どんな人ですか?」と聞きまくってるらしいが、若い記者たちは答えられないとか。それくらい現場の世代とジェネレーションギャップがあるのだ。

「今の選手は『こんな練習、何でするんですか』とか平気でコーチに言うし、厳しい指導をしているコーチはフロントから呼び出されて『厳しくやったらアカンで』なんて言われる時代ですからね。岡田さんと合うかと考えたら、微妙でしょ」

 古参記者は、さらにこう続けた。

「岡田監督は今、報道陣から『アレ』と呼ばれてます(笑)。会見で『僕はずっと優勝はアレとしか言ってこなかったんで、はっきり、優勝します、とか、よう言わないですけど……』と言ってたからなんですが、象徴的です。自分が知ってることは皆知ってる、という前提で話すんですよ。だから『そんなん知らんの』『そんなんアカンやろ』という頭ごなしの言い方が決まり文句で、わかりづらい」

 そんな上司を迎えることになる阪神の現場は、戦々恐々としているとか。(渡辺勘郎)

週刊朝日  2022年11月4日号