中村雅俊(なかむら・まさとし)/ 1951年2月1日生まれ。宮城県女川町出身。74年、ドラマ「われら青春!」(日テレ系)で俳優デビュー。自らが歌う挿入歌「ふれあい」が100万枚を超えるミリオンセールスを記録。俳優、歌手、ナレーター、司会など幅広く活躍(撮影/写真映像部・高橋奈緒/スタイリスト・奥田ひろ子、ヘアメイク・鈴木佐知)
中村雅俊(なかむら・まさとし)/ 1951年2月1日生まれ。宮城県女川町出身。74年、ドラマ「われら青春!」(日テレ系)で俳優デビュー。自らが歌う挿入歌「ふれあい」が100万枚を超えるミリオンセールスを記録。俳優、歌手、ナレーター、司会など幅広く活躍(撮影/写真映像部・高橋奈緒/スタイリスト・奥田ひろ子、ヘアメイク・鈴木佐知)

 1974年にデビューして以来、俳優や歌手として精力的に活動を続ける中村雅俊。昨年初めてオーケストラとともにシンフォニックライブに挑戦し、大きな喝采を浴びた。今年の公演も決定した中村に、シンフォニックライブをはじめ、健康のこと、現在の目標などを語ってもらった。

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 昨年に引き続き、今年もオーケストラと一緒に行う「シンフォニックライブ」が全国4都市で開催される。

 昨年初めて挑戦した「シンフォニックライブ」は最高でした。またやりたいと思っていたので、決まった時は本当にうれしかったです。コンサート前は「やってみないとわからない」という思いがあって、実は不安や緊張感でいっぱいでした。一番の不安は、オケにはドラムがないこと。普段のコンサートではドラムが絶えずリズムを刻んでいるので、それを聴きながらギターを弾いたり歌ったり。バンドのメンバーが同じテンポで歌えるのもそれがあるからなんです。リズムがあると安心してパフォーマンスができる。でも、ドラムなしで歌っていると、バイオリンのメロディーが目の前を横切っていくような感覚で。最初は「なんじゃこりゃ?」と不安でした。

 フルオーケストラとのコラボレーション自体も不安だったという。

 一流どころの演奏家が60人以上もいて、指揮者とどういう会話をしたらいいのかわかりませんでしたし。それに、オーケストラには“しきたり”があるでしょう? 何曲演奏したらチューニングをするとか、席を外すこともある。そうしたルーティンのようなものもわからなかったから、いつもとは違う不安材料となりました。ただ、同時に心の中では、音的には絶対素晴らしいクオリティーの演奏になることは間違いないとわかっていたので、自分がちゃんとやるだけだと言い聞かせていました。

 今回のタイトルにある「HARVEST」は、中村自身の発案だ。

 自分の中で実りある収穫をという意味で付けたんです。今まで培ってきたものを出せたらいいなと。内容は詳しく言えませんが、一つ言えば、俺が35年前に作った親父の歌「父に捧ぐ」を歌おうと思っています。きっかけは今年NHKの「ファミリーヒストリー」という番組に出たこと。親父は俺が4歳の時に亡くなっているので記憶はなく、家に晩年の写真が飾ってあるだけ。親父の写真はそれしかなかったんですが、番組で30代の写真が出てきたんですよ。これが結構イケメンで(笑)。自分が持っている写真以外の父の写真を見たのが初めてだったので、すごく驚きました。

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