メジャー昇格なるか。(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)
メジャー昇格なるか。(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 エンゼルス・大谷翔平が投手で14勝、打撃でも34本塁打と「異次元の活躍」を見せているが、メジャーで活躍できる日本人選手は一握りだ。特に野手は厳しい。秋山翔吾(現広島)は西武在籍時に最多安打を4度、首位打者を1度獲得するなど安打製造機として活躍したが、レッズではレギュラーをつかめないまま今季途中に自由契約に。パドレスとマイナー契約を結んだが、6月下旬に日本球界復帰を決断した。

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 この男も、メジャー昇格を目指して汗を流している。ブルージェイズ傘下3Aバッファローでプレーする筒香嘉智だ。侍ジャパンで4番を担うなど日本球界を代表する長距離砲として活躍し、19年オフにポスティング・システムでレイズに移籍したが、20年は51試合出場で打率.197、8本塁打、24打点と結果を残せず、翌21年も26試合出場で打率.167、0本塁打、5打点。5月上旬に事実上の戦力外通告を受けてドジャースに移籍するが目立った活躍ができず、パイレーツに移籍する。崖っぷちに追い込まれたが、少ないチャンスを生かして、打率.268、8本塁打、25打点をマーク。今季は再契約を結んで中軸として期待されたが、腰痛の影響もあり、打率.171、2本塁打、19打点とふるわず、8月に自由契約に。現在はブルージェイズ傘下でメジャー昇格を目指している。

 スポーツ紙記者は、「現実的に考えるとメジャー再昇格は厳しい。筒香のウィークポイントは150キロ以上の直球をヒットゾーンに飛ばす確率が低いことです。相手バッテリーも把握しているので速い球をどんどん投げ込んでくる。来年は日本球界への復帰も選択肢の一つだと思います。古巣のDeNAや貧打にあえぐ中日が獲得に乗り出す可能性がある」と指摘する。

 一方で、別の見方も。セリーグ球団の編成担当者は「今の筒香を見ると、日本球界でも打率.250、20本塁打ぐらいのバッターだと思う。米国から日本球界に復帰してアジャストに苦しむ選手が多い。守備に定評があるわけではないし、高年俸で獲る選手ではない」と厳しい。

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子供の時からメジャーで活躍することを夢見ていた