愛媛県四国中央市では、パイレーツ公式戦始球式券(観戦ペアチケット付)が寄付額12万円以上で。兵庫県多可町では、たかテレビニュースキャスターになれる券が寄付額100万円以上で。ニュースキャスター(リポーター)就任は1年間という。

 京都府舞鶴市では、京丹後鉄道の線路の輪切りを寄付額3万5000円以上で。線路の輪切り、約1センチがもらえるという。松浦さんは「線路の輪切りは文鎮などにいいかもしれない。ふるさと納税の限定品で、マニアにはうけるかも」と話す。

 ふるさと納税の返礼品は、寄付金額に対し、定価にして3割までというルールがある。“定価の3割”についてはさまざまな解釈があり、市販品がない場合は基準がない。また、ディスカウントで安く買うことができるものは、お得感がなくなるので、松浦さんは「普段は定価でしか買えないものがいい」とも話す。

 返礼品の選び方として、(1)生活防衛か、(2)ぜいたく品か、という基準があると松浦さんは話す。生活防衛で選ぶなら、たとえば米などを入手するのもいい。一方、ぜいたく品を狙うなら、お得感でなく、普段は買わないものを選んでみる。

 ここで、ふるさと納税の基本をおさらいしておこう。松浦さんによれば、基本的には住民税(一部は所得税)の控除を受けることができ、住民税の2割分まで、他の自治体に収めてもいい。控除されるのは、そこまで。手続きに2000円の費用がかかる。返礼品が5000円相当なら、差し引き3000円分がお得になる。

 給与所得者などは1~12月までの収入が対象で、秋口にはおおよそ推測できる。総務省ふるさと納税ポータルサイトに、収入や家族構成別に詳しく出ているので、ふるさと納税の年間上限額を確認しておこう。

 ふるさと納税に際しては、確定申告をする場合と、確定申告が不要で、寄付先の自治体に特例制度の利用申請するワンストップ特例制度がある。ワンストップ特例制度は、寄付する自治体が5団体までで、確定申告にはその制約がない。

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