ヤクルト1000(提供)
ヤクルト1000(提供)

 寝苦しい真夏がようやく過ぎ去ったとはいえ、「よく眠れない」と悩む方は、依然として多いのではないだろうか。日本は世界に冠たる(?)「睡眠不足」大国らしい。あの手この手で私たちを快眠へと誘うグッズやサービスが、花盛りだ。

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 扉が閉まると、人々が行き交う駅の喧騒(けんそう)は消え、照明を落としリクライニングチェアに身をゆだねる。3畳ほどの空間は淹(い)れたてのコーヒーの香りに包まれた。

「睡眠」に悩む人向けの商品やサービスが盛況だ。

 JR大宮駅(さいたま市)では、ネスレ日本とJR東日本が共同で「STATION BOOTH supported by ネスカフェ 睡眠カフェ」の営業を6月30日から期間限定で始めている(12月31日まで)。

 個人の専用ブースが用意され、15分330円でコーヒーや水が好きなだけ楽しめる。コーヒーを飲んでリクライニングチェアで休息をとり、その後のパフォーマンス向上を目指すという。電源や専用Wi-Fiもあり、ブース内で作業も可能だ。

 コーヒーと聞くと眠気覚ましのイメージが強いが、なぜ「睡眠カフェ」なのか。ネスレ日本広報の小川直子さんによると、カフェインは摂取してから体に吸収されるまで30分かかるそうで、「15分から20分の短い休息の前にあえてコーヒーを飲むと、ちょうど落ち着いたころにシャキッとします」と言う。

「カフェインと睡眠にギャップを感じる人も多いかと思いますが、昼間の過ごし方を工夫すると夜の良質な睡眠につなげることもできるのです」と小川さん。

 快眠グッズに注目が集まるきっかけは、ヤクルトが発売する「ヤクルト1000」だった。

 全国発売は昨年4月だが、今年4月に放送された日本テレビ系「しゃべくり007」で取り上げられるや、「睡眠の質が良くなる」とSNSでも話題になり一大ブームとなった。2021年度は1日あたりの販売本数が約114万本だったが、今年度は約180万本となる見込みで、いまも品薄状態が続く。

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