俳優・赤井英和さん(63)のボクサー時代を息子・赤井英五郎監督(27)が綴(つづ)ったドキュメンタリー映画「AKAI」が9日から公開される。「浪速のロッキー」と呼ばれた壮絶な生きざまとともに、いま家でチャーハンを作り、皿を洗う父としての素顔も映し出される。最近、赤井さんの日常は妻・佳子さん(56)のツイッターでも話題だ。そんな二人に、映画「AKAI」とツイッターについて語ってもらった。
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──大阪市西成区出身の赤井さんは高校時代からボクシングで頭角を現し、近畿大学在学中にプロデビューした。ひたすら前に出て、相手をどつき倒すスタイルで12戦連続KOの日本タイ記録(当時)を樹立し、日本中を熱狂の渦に巻き込んでいく。しかし1985年の試合中に意識不明の重傷を負い引退。89年に自伝をもとにした映画「どついたるねん」(阪本順治監督)に主演して、数々の新人賞を受賞。その後、俳優になった。
英和:しかし、いま自分で見直すとメチャクチャですね。あんなボクサー、ほかにいないですもん(笑)。(今回の映画は)もともと英五郎が「ちょっと話、してくれないかな」みたいな感じで始まったけど、見ながら「ああ、ちゃんとオレのいままでを記録してくれたなあ」と思いました。
佳子:私と結婚する前の話だし、私も改めていろいろわかったなという気がしています。師匠のエディ・タウンゼントさんが「人生には天気がいいときも、悪いときもある。これからあなたの本当の友達がわかるよ」っていうシーン。あれはケガでボクシングがダメになったときを言っているんですよね。いまの赤井にはボクサー時代と変わらず友達も先輩も後輩も周りにいる。本当に人に恵まれているんだなあ、と思いました。
英和:これまで息子に自分の人生を話す、みたいなこともあんまりなかったですから。
──英五郎さんは大学まで米国で過ごし、20歳でボクシングを始めた。2018年に全日本社会人選手権ミドル級で優勝。東京オリンピック出場を目指していたが、19年の全日本ボクシング選手権2回戦で敗退。21年にプロデビューしている。