のん/ 1993年、兵庫県生まれ。アニメーション映画「この世界の片隅に」(2016年)で主人公・すずの声を演じ、国内外から数々の賞を受賞。「私をくいとめて」「星屑の町」(いずれも20年)にも出演。今年公開の「Ribbon」の監督も務めた。(ヘアメイク:菅野史絵 スタイリスト:町野泉美)
のん/ 1993年、兵庫県生まれ。アニメーション映画「この世界の片隅に」(2016年)で主人公・すずの声を演じ、国内外から数々の賞を受賞。「私をくいとめて」「星屑の町」(いずれも20年)にも出演。今年公開の「Ribbon」の監督も務めた。(ヘアメイク:菅野史絵 スタイリスト:町野泉美)

 さかなクンの自伝的エッセーを原作にした映画「さかなのこ」。さかなクンの分身であるミー坊を演じた俳優で“創作あーちすと”としても活躍するのんさんと、本作で魚の監修をはじめ、出演やバスクラリネット演奏など八面六臂の活躍を見せたさかなクンが映画を振り返った。

【写真】のん様とさかなクンのツーショットはこちら

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さかなクン:のん様がミー坊役と聞いたときは、「ヤッタ~! のん様だぁ~」って。これに勝る喜びはないというくらいの思いでした。

のん:ありがとうございます。私も脚本を読んだとき、ものすごくミー坊を演じたいと思ったんです。“さかなクン”の役ということでエンジンがかかりました。実際すごく楽しかったんです。共演した皆さんも演技に対して誠実な人ばかり。沖田(修一)監督が醸し出す空気感も幸せでした。

さかなクン:自分は子どもの頃のミー坊と仲良しになる、ちょっと変わり者のギョギョおじさん役で初めて映画に参加させていただきました。完成した映画を見て、「ちっちゃいときのミー坊とヒヨ(ミー坊の親友)だ!」って懐かしかったです。のん様が演じた学ラン姿のミー坊を見ても、やんちゃな仲間たちに最初は追いかけられて怖い思いをしたこともあったなとか、そのうち仲良くなって江の島へ行ったり、釣りをしたり。いろんなことがよみがえりました。

のん:撮影でご一緒することはありませんでしたが、さかなクンが現場に遊びに来てくださったときは、みんなのテンションが爆上がりでした。

さかなクン:自分も「のん様に会えるぞーっ」と楽しみでした。しかも、撮影場所が地元の館山だったので本当にうれしかったです。

のん:映画にはドランクドラゴンの鈴木拓さんが先生役で登場されましたが、同級生なんですよね。

さかなクン:そうなんです。沖田監督様には自分が「スズケン先生は絶対、拓くんがいいです」ってお願いしました。「可能ですか?」と監督様がおっしゃるので、「今電話します」とその場で拓くんに電話して。「今度ミー坊の映画作ってくれるんだけど、スズケン先生を拓くんにお願いします」って言ったら、「あぁ、いいよー」と。

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