ペットはもはや大事な家族。読者とペットの愛おしい日常のひとコマをお届けします。今回の主役は、犬の芽生爽ちゃんです。

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 チワワの芽生爽(メイサ)(雌、3歳)がうちの家族になったのは2年前の2月だった。

 その前年の秋、私にとって人生の半分以上を一緒に過ごしたチワワの「華」がまだ10歳で病気で他界。もう少し早く異変に気付いていたら、もう少し手術を早めて闘病させていたらと、後悔にさいなまれていた。

 心に大きな穴が開いて母も私も毎日泣き、毎日自分を責めることを繰り返して、極限まで追い込まれていた。

 母も私も寂しさを紛らわせたくて、幸せをくれる華のような存在が恋しくて、保健所や保護犬カフェに行き、里親会にも参加した。けれど縁はなかった。

 華が亡くなった10月でカレンダーが止まったまま最悪の年が終わり、新しい年になった。

 そして2月。祖母があまりに落ち込む母と私を見かねて、外食に行くことを勧めてくれた。

 それで神戸まで行ったものの、予約の時間より早く着いてしまい、何となく店の前にあったホームセンターへ行った。

 そこで生後7カ月の芽生爽に出会った。

 亡くなった華と同じ奇麗なクリーム色。寂しげに震える姿にたまらず手を差し伸べた。そして、わが家は決して裕福ではないけれど今度こそ幸せにすると、家族で約束したうえで家に迎えた。

 今、芽生爽は震えていた影もないぐらいぽっちゃりして、ゾウアザラシというあだ名が付いている。もう後悔はしたくない。この子を絶対守る。華の分まで笑顔にする──。

 おなかを出して寝る彼女を見て、今日もほほ笑みながら幸せをかみしめている。

 うちに来てくれてありがとう。これからもよろしく。(兵庫県明石市/21歳/フリーター)

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週刊朝日  2022年9月9日号