マイナンバーカードの申請を呼びかけたマイナちゃん(右)
マイナンバーカードの申請を呼びかけたマイナちゃん(右)

 値上がりは収まらず、少しでも負担をやわらげたい。そんな時、助けになるのが買い物やサービスの利用時にもらえるポイントだ。最近は企業だけでなく、国や自治体の制度も増えた。初心者でも無理せずお得になる「ポイ活」の方法を探った。

【図表】「ポイ活」がうまくいくための5カ条はこちら

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「政府目標の達成に向けて、さらなる申請件数の増加を図っていく必要があることは論をまたない。自治体との連携体制をより活用して、マイナンバーカードの普及促進に向けた取り組みを加速したい」

 寺田稔総務相は8月12日の就任会見でこう話し、マイナンバーカードの普及に力を入れる姿勢を改めて示した。総務省は今年度中に「ほぼ全国民」の取得を目指している。しかし、8月9日時点の交付枚数は約5853万枚で、人口に対する割合は半分に満たない。

 普及の足がかりの一つが、6月から進める「マイナポイント第2弾」だ。

 マイナンバーカードを新たに取得したら最大5千円分、健康保険証として登録すると7500円分、公金受け取り口座の登録をすると7500円分のポイントがそれぞれもらえる。三つすべて行うと最大2万円相当のポイント還元が受けられる。まだカードを持っていない人は、9月末までにカードの取得を申請する必要がある。

 もらったポイントは、QRコード決済や電子マネーなどを利用して買い物をする際などに使える。ポイント交換案内サイト「ポイ探」を運営する菊地崇仁さんは言う。

「最近は、国や自治体がポイント制度を活用する例が目立ちます。割引や給付金のような形だと一度の消費で終わりますが、ポイント還元だと、ポイントを利用する際にさらにもう一回消費する効果が期待できる。コロナで落ち込んだ消費喚起や物価高対策として、これからも新しい制度が出てくると考えられます」

 菊地さんは、ポイント制度が広がるようになった転換点は2019年秋、消費増税に合わせて政府が実施したポイント還元事業だったと指摘する。キャッシュレス決済への関心が高まり、QRコード決済や電子マネーを手がける会社は増えた。その後、「PayPay(ペイペイ)」や「楽天ペイ」といった企業がキャンペーン合戦にしのぎを削る状況は落ち着いたが、近ごろは相対的に国や自治体の取り組みが目立つように。

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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