室井佑月・作家
室井佑月・作家

 作家・室井佑月氏は、新しい岸田内閣の顔ぶれに嘆息する。

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 8月10日、新岸田内閣が発足した。あたしは結構、楽しみにしていたのだ。旧統一教会問題と、それに汚染された政治家が問題になっていた。ひょっとして、岸田首相が目を覚ましてくれるんじゃないかと思って。

 旧統一教会との付き合いで露(あら)わになった感じもするが、偽保守の、隣国差別や反知性主義、そういったものと政府自民党が決別宣言ともいえる人事をするのではないか、と。もはや暴君のようであった自民党の安倍派。しかし、安倍派=日本ではない。安倍派にムカついているのは、あたし以上に頭を抑えられつづけてきた岸田首相だと思っていた。

 が、どうなんだろう? 10日付の毎日新聞デジタル「改造後もまた……? 『身体検査、不十分内閣』鈴木エイト氏」という記事によると、

「岸田首相は、当初想定の9月から前倒しして内閣改造・党役員人事を行い、教団や関連団体との関係を認めた7閣僚を交代させたが、改造後も、少なくとも同数の閣僚7人と党四役の1人が、教団などとの接点を持っていたことが判明した」

 という。

 旧統一教会との関係には濃淡があれど、経済再生担当相の山際大志郎氏、厚生労働相の加藤勝信氏、総務相の寺田稔氏、自民党政調会長になった萩生田光一氏、ここら辺は報道でも関わりが深かったのではないかといわれている。

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室井佑月

室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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