特に、子育て世帯のアンケート調査結果では、他の世代・世帯に比べても、「不要なものを買わない」「ポイントやクーポンを活用」「安価な製品への乗り換え」の回答が多くなっている。さらに、娯楽や教育費の切り詰め、中古品の購入、自家用車を手放すなど、あの手この手で家計をやりくりしている実態が調査からも浮かび上がってくる。

 物価高で生活にゆとりがなくなるのは、どの世代でも同じだが、世代により“蓄積”が違うので、受け止め方も違ってくる。たとえば、シニア世代になると貯蓄があるので、それを取り崩して使うことができるし、すでに物をたくさん持っているの新たに買う物も少ないと、久我さんは指摘する。物価高をある程度、吸収する余地のある世代でもあり、そこが子育て世帯と大きく違っているという。

 日本銀行の黒田東彦総裁が6月に「家計の値上げ許容度、高まっている」などと発言し、物議をかもしている。統計上の数字や、シニア世代の目線で世の中を見ていると、世代や世帯ごとの細かい実態が見えにくくなっている可能性がある。

 日本で少子化が問題となって久しいが、子育てする人たちには、一段と厳しい時代になっている。(本誌・浅井秀樹)

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