エルビス・プレスリーの娘のリサ・マリー・プレスリーを母に、ミュージシャンのダニー・キーオを父に持つ俳優ライリー・キーオが、映画監督デビューした。初監督作となる「War Pony」(邦題未定)について、監督としての今後、そして家族についてイベントで語った内容を詳報する。

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 今年のカンヌ映画祭でカメラドール(新人監督賞)に輝いた「War Pony」(邦題未定)は、ジーナ・ギャメルとの共同作品。米国サウスダコタ州のパイン・リッジ・リザヴェーションという先住民居留地に住む二人の少年が主人公の物語だ。キーオは親友でもあるギャメルを含め、友人3人とともに脚本を執筆した。

 これまで俳優としてハリウッド大作から独立系作品まで幅広く出演してきたが、本作で取り組んだのは、ネイティブアメリカンの血を引く二人が米国社会の片隅で葛藤する人生の模索をリアルな映像で描く社会性の高い内容だ。自身で資金集めもした意欲作で見事カメラドールの受賞となった。

キーオが公式上映に先立ち登壇した仏ラグジュアリーブランド、ケアリング主催の女性地位向上のためのイベント、「ウーマン・イン・モーション」では、次のように話していた。

イベントで発言するライリーと共作監督のジーナ(c)yuko takano
イベントで発言するライリーと共作監督のジーナ(c)yuko takano

――監督デビュー作がカンヌ映画祭の「ある視点」部門に入ったと知ったときはどう思いましたか?

「信じられなくてめまいがした。全く予想していなかったから。友達と一緒に作ったパーソナルな映画で、仲間内だけで観るつもりだったし。カンヌで上映されるなんて」

――演技する以前から監督になりたかったそうですね。

「脚本を書いて監督するというのが子どもころからの夢で、友だちと映画を自作していた。18歳の時、演技の道は、たまたまオーディションを受けたのがきっかけに開いたけれど、それがなかったら入らなかったかも」

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「女性監督にもっと予算をつけるべきだ」