※写真はイメージです (GettyImages)
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「おならの回数やニオイの変化で消化器系の疾患が判明することもある」と言うのは、しらはた胃腸肛門(こうもん)クリニック横浜院長の白畑敦医師だ。白畑医師によると、大腸がんが進むとおならの回数が減ることがあるという。

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「大腸に腫瘍(しゅよう)があると腸が細くなってガスが詰まりやすくなり、おなかに張りがあるにもかかわらず、おならの回数が極端に減ってしまいます。回数が変わらなくても、短いおならが小出しに出る場合もある」

 回数だけでなくニオイも変化する。

「がんが進行していると組織がもろく壊れやすくなっており、組織が腐って『腐敗臭のするおならが出る』という症状を訴える患者さんがいます。1日に5~7回以下で、一度に出るガスの量も減ったと感じる状態が数週間続いたら、病院で相談してください」

 1日に15~20回以上までおならが増える場合も疾患の可能性はある。疑われるのは腸内の炎症だ。

「たとえば難病にも指定されているクローン病は、小腸や大腸に炎症や腫瘍ができる腸疾患で腹痛や下痢、血便などの症状がありますが、おならの回数も増えます。また潰瘍(かいよう)性大腸炎でもおならはたくさん出ます。これは腸に潰瘍やびらんが起きる病気で、腸内に炎症が起き、ニオイの成分である硫化水素が発生してアンモニア系のニオイがあるおならが出るのが特徴です。ストレスによって自律神経が不安定になって起きる過敏性腸症候群でもおならの回数が増え、腹痛や下痢、ときに便秘もあります」(白畑医師)

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