田原総一朗(たはら・そういちろう)(左)/ 1934年、滋賀県生まれ。早稲田大卒。東京12チャンネル(現テレビ東京)でディレクターとして活躍後、77年、フリージャーナリストに。「朝まで生テレビ!」「激論!クロスファイア」で司会を務める。延江浩(のぶえ・ひろし)(右)/ 1958年、東京都生まれ。慶大卒。TFM「村上RADIO」ゼネラルプロデューサー。小説現代新人賞、アジア太平洋放送連合賞ドキュメンタリー部門グランプリ、日本放送文化大賞グランプリ、ギャラクシー大賞など受賞。『松本隆 言葉の教室』(マガジンハウス)が好評発売中。
田原総一朗(たはら・そういちろう)(左)/ 1934年、滋賀県生まれ。早稲田大卒。東京12チャンネル(現テレビ東京)でディレクターとして活躍後、77年、フリージャーナリストに。「朝まで生テレビ!」「激論!クロスファイア」で司会を務める。延江浩(のぶえ・ひろし)(右)/ 1958年、東京都生まれ。慶大卒。TFM「村上RADIO」ゼネラルプロデューサー。小説現代新人賞、アジア太平洋放送連合賞ドキュメンタリー部門グランプリ、日本放送文化大賞グランプリ、ギャラクシー大賞など受賞。『松本隆 言葉の教室』(マガジンハウス)が好評発売中。

 ジャズピアニストの山下洋輔さんが1969年に演奏した「伝説のライブ」を再現するイベント「村上春樹 presents 山下洋輔トリオ 再乱入ライブ」が7月12日、早稲田大学で開かれた。学生運動で殺気立ち、バリケードで封鎖されたキャンパスでのライブを当時、山下さんに提案したのがテレビディレクターだった田原総一朗さん(88)。作家・村上春樹さんと「再乱入ライブ」を手がけるTOKYO FMのラジオマン・延江浩さんが語り合った。

【写真】「再乱入ライブ」を果たした、山下洋輔さん、中村誠一さん、森山威男さんはこちら

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会場の大隈記念講堂は満員の聴衆で埋まった(『TOKYO
会場の大隈記念講堂は満員の聴衆で埋まった(『TOKYO FM/早稲田大学国際文学館 共催「村上春樹presents 山下洋輔トリオ 再乱入ライブ」』)より

延江:あれから五十数年たって今度は大隈講堂でライブをやるんですが、チケットは完売です。僕たちは実際にお客さんが集まるかと心配だった。でも瞬く間に売れてしまった。なぜでしょう?

田原:日本は今、空気を読む時代なんですね。空気を読まないと生きていけない。これは非常に良くない。コロナ禍とはいえ、他国がマスクを外している中、日本中みんなマスクをしている。こんな国は日本だけなんだ。そういう「右にならえ」の空気感を壊したいという思いがあるのかもしれないね。

延江:フリージャズが既成の概念を打ち破るものだとしたら、今回のライブに関しては、単に懐かしさだけでなく、パンデミックやウクライナの問題、がんじがらめになっている格差の問題だとか、どこか窮屈な時代に対して活路を求めたい機運があるんでしょうか。

田原:それは若者にあると思う。

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