ラブバラ―ド「Luv Bias」。吹き上がる水と光の演出が、幻想的な世界観を作り出す(撮影はいずれも小黒冴夏)
ラブバラ―ド「Luv Bias」。吹き上がる水と光の演出が、幻想的な世界観を作り出す(撮影はいずれも小黒冴夏)

 昨年8月にデビュー10周年を迎えたKis-My-Ft2。しかし、新型コロナウイルスの影響で、ファンと対面してのライブは2019年を最後に開催できていなかった。10周年の感謝の想いを込め、今回開いたドームツアーには、デビュー前に故・ジャニー喜多川氏が付けたツアータイトルを再び題した。キスマイの代名詞ローラースケートで、7人は会場を縦横無尽に駆け回った。3年ぶりの“逢瀬”。7月2日から3日間行われた東京ドーム公演の、初日の様子をお届けする。

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 メンバーカラーの花々がメインステージを彩る。感謝の花言葉を持つ花を13種類集め、デビューから10年分の感謝の気持ちをファンに伝えた。

 オープニング映像が流れ、一瞬の静寂ののち、優しく観客を包み込むような音色が会場に広がる。1曲目に選んだのは彼ら自身が作詞した「Re: (アールイー)」だった。愛する人に向けて、これまでの感謝と輝かしい未来について歌った曲だ。煌々とライトで照らされたスモークの中から現れる7つの影。玉森裕太がデザインに携わり、これまで着用してきた衣装のデザインや生地をパッチワークでつなげた衣装には、彼らの足跡を織り込んだ。「言葉だけでは伝えきれないほどの」感謝を、いまここにいるファンに向けてまっすぐに。昨年実現できなかった、デビューから10年間の想いを伝えるためのステージの幕が、開いた。

 2曲目は「A10TION(アテンション)」。7人の新たな出航を告げる音色が、高らかに響きわたった。振り付けには、過去の楽曲の振りが入っており、これまでの軌跡をファンとともに思い返しながら、キスマイらしく、弾むように歌い上げた。

 「Hey, Tokyo!! Kis-My-Ft2でーす!!」。北山宏光が雄たけびを上げると会場は北山のメンバーカラーである赤色に染まった。デビュー曲「Everybody Go」の一幕だ。「おかえりなさいませ、お姫様! 声出せないけど、ペンライトで俺たちに気持ちガンガンぶつけてこい!」と宮田俊哉もさらにファンを盛り上げる。ローラースケートを履いた7人が会場の空気を切り裂き、縦横無尽にステージを駆け回る。メンバーが通ったあとは、客席がそれぞれのメンカラで染まった。「じゃあいつものやつを、心の声でお願いしまーす。せーの」と玉森が言うと、メンバーが「玉ちゃーん!」と叫び、ファンの心の声もドームにこだました。

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唐澤俊介

唐澤俊介

1994年、群馬県生まれ。慶應義塾大学法学部卒。朝日新聞盛岡総局、「週刊朝日」を経て、「AERAdot.」編集部に。二児の父。仕事に育児にとせわしく過ごしています。政治、経済、IT(AIなど)、スポーツ、芸能など、雑多に取材しています。写真は妻が作ってくれたゴリラストラップ。

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