ハワイ※写真はイメージです (GettyImages)
ハワイ※写真はイメージです (GettyImages)

 世界ではコロナ終息ムードが漂うなか、今年の夏こそ日本を脱出して海外で過ごそうと考える人も多いのでは。感染リスクや不安を最小限にしつつ久々の異国ライフを満喫するノウハウを、世界70カ国を訪れた旅のエキスパートに聞いた。

【表】各国の感染症危険レベルがこちら

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「入国時のスムーズさったら驚きました! 事前にアプリでワクチンの接種証明や健康状態を登録しておけばOK。人も少なく、到着して30分くらいで空港を出られました」

 こう話すのは、今年5月に4泊5日でシンガポールを旅した川畑茉衣さん(神奈川県在住・30代)。元々年に6~7カ国出かけていたほどの海外旅行好きだが、コロナ下で封印してきた。ようやく各国が入国規制を緩和しはじめたことで、2年ぶりの渡航を決めたという。

 シンガポールを選んだ理由は「肩慣らしにちょうどいい」から。「過去に4回行ったのでハードルが低かった。報道などを見ていて、国のコロナ対応がスピーディーで安心感があると感じたのも決め手でした」

 実際、現地での生活は快適だった。街は「めちゃくちゃきれい」で衛生面はバッチリ。道行く人はマスクをしている。観光客が完全には戻っていないようで、普段人でごった返すマーライオン像周辺でさえ混雑はなかった。

 一方で「すごく萎えた」のが、現地出国前72時間以内に出された陰性証明がないと帰国できないこと。「病院を予約しようとしたら、運悪く祭日で全然開いてなくて。半日がかりで20~30軒に電話をかけました」。費用は安いとシンガポールドルで80ドル前後だが、探しに探して120ドルで受けることに決めた。日本政府が「有効」と定める証明書をもらえるか不安だったが、病院に事情を説明すると、無事に厚生労働省の所定フォーマットで発行してくれた。

「現地に着いたらすぐ検査予約を済ませておけばよかった」と振り返る川畑さん。今回で感触をつかめたので、夏の旅も計画している。「なんとかなるなと自信がついた。次は、前から行きたかった南アフリカあたりに挑戦しようと思います」

シンガポールでの川畑茉衣さん。有名ホテル、マリーナベイ・サンズの56階テラスで行われたヨガセッション。
シンガポールでの川畑茉衣さん。有名ホテル、マリーナベイ・サンズの56階テラスで行われたヨガセッション。
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大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

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