「元気になる」って仰ってくれるみなさんの刺激になれたら
「元気になる」って仰ってくれるみなさんの刺激になれたら

 60歳を前に新しいキャリアに挑戦し、華々しい活躍を遂げた“アラ還シンデレラ”がいる。でこぼこ道もなんのその。何歳(いくつ)になっても自分らしく前向きに生きるその姿は、やりたいことが見つからない人や一歩踏み出す勇気が持てない人へのヒントやエールになるはず。まばゆい「プラチナヘア」がチャームポイントのモデル/ファッションインフルエンサー・藤原民子さん(62)のパワフルな人生訓をお届けする。

【写真】グレイヘアが似合う芸能人はこの人たち

 昔占いに行ったら、波乱万丈の人生を歩むと言われました。私としてはごく普通の主婦でいられるもんだと思ってたのに、そううまくもいかなかったですね(笑)。高校を卒業して大手化粧品メーカーに就職して、26歳で最初の結婚をしました。それから12年間主婦だったんですけど、離婚することになって。不妊治療をしてやっと授かった一人娘とも別れることになったのは本当につらかったです。

 たぶん、自分のための結婚じゃなかったから幸せになれなかったのかな。世間体のためだったり、大変な仕事から逃げるためだったり。私は一人で生きていけるタイプの女じゃないと思ってたから、誰かを頼ろうとしてました。自分を大事にしていなかったですね。主婦として、母としての自分を優先して、思うように生きられない暗黒の時代でした。45歳で2回目の結婚をしたんですけど、それも続きませんでした。

 でもね、よくバツ1バツ2とか“×”って言うけど、私はこの経験が自分の力になったと思ってます。離婚を機に復職して、22年間、契約社員の美容部員として化粧品を販売しました。社内の販売コンクールで優勝すると、海外旅行のご褒美がありました。お客様に合うメイクやスキンケア用品を一緒に選ぶのはやりがいがあったし、なによりこの人をきれいにしたいと思って働くのは楽しかった。

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大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

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