現役学生から公募したモデルが、受験時のエピソードや勉強法を明かす特別企画。第5回では、青山学院大学法学部4年の清家心さんが、偏差値30台という“どん底”からの浪人体験記を明かす。
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高校卒業を間近に控えたころ、続々と進学先を決める周囲の様子に、我に返った。「僕はこの1年間なにやってたんだ?」
進学校に入ったものの、遊んでばかりでまったく勉強しなかった。「学校のテストはほぼ最下位で、偏差値は40もなくて。大学受験の前から、親とは『あと1年頑張ろう』って話してました」
苦しい浪人生活の幕開けかと思いきや、底抜けにポジティブな清家さんは逆境を大いに楽しんでいた。「一つ英単語や古文の解法を覚えるだけで成績が上がるから、上がり目しかない!って」
親に負担をかけることに気が引け、予備校には通わなかった。毎朝その日のスケジュールを決めて、一日7~8時間のペースで勉強した。月に一度は“ガチ勉強デー”を設定。朝6時から深夜0時まで勉強し、ご褒美として翌日はオフにした。
高校時代に自分の勉強法を確立できていなかったため、友人や先輩にやり方を聞いて、いいと思ったものをまねた。最も効果的だったのは、「参考書をしぼること」だという。「第1志望に合格した人たちの唯一の共通点でした。一冊の参考書を漏れなく完璧にする。量より質が大事なんです」
得意科目は英語。「参考書は文法解釈の一冊だけで、あとは単語帳、熟語帳、長文問題集、過去問があれば十分です」。単語は複数の意味をセットに「概念」として覚え、派生語もチェックした。長文問題はそのテーマの背景知識も学ぶと、現代文や時事問題にも生かせて「一石二鳥」だった。
一方、日本史は「ダントツで苦手」。「昔の絵画とか石像とか、堅苦しい単語を覚える作業に思えちゃって。“THE勉強”っていう意識が芽生えて、受けつけなかったんです」。そこで、まず小学生向けの学習漫画を読みあさり大まかな流れをつかむと、だんだん歴史の面白さに目が開いた。