玉木雄一郎(撮影/写真映像部・加藤夏子)
玉木雄一郎(撮影/写真映像部・加藤夏子)

 昨年の衆院選以降、政府提出の予算案に賛成するなど「与党寄り」の政治行動が目立つ国民民主党。自公連立政権入りの観測も流れる中、自民党が野党共闘に楔を打ち込んだ側面もある。玉木雄一郎代表に「野党観」や今後のビジョンを聞いた。

【写真】あいさつに訪れた岸田文雄首相とひじタッチする玉木代表

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──国民民主党は政府が提出した今年度の予算案に賛成しました。野党が当初予算案に賛成するというのは、異例の決断に映りました。

 今回の予算案はコロナやウクライナ情勢も踏まえて早期成立が必要だったほか、我々の選挙公約である(ガソリン税を減税する)「トリガー条項の凍結解除」の検討を総理が明言したので、賛成しました。私たちは昨年の衆院選で「対決より解決」を求めて議席を増やした。その流れで、政策本位に判断した結果です。

──とはいえ、トリガー条項の発動は見送られたままです。与党に都合よく扱われたのでは?

 23人しかいない国民民主党が、与党を巻き込んで政策協議をし、原油価格・物価高騰対策として2兆7千億円の補正予算を勝ち取ることができた。一定の成果はあったと思います。トリガー発動も、まだあきらめていません。

──予算案への賛成など与党寄りの政治行動を批判する声もありますが。

 立憲民主党や日本維新の会も予算案に反対する中で我々が単に反対と言っても、野党第3党としての存在感も出せず、政策も実現できない。

 我々は単に予算案に賛成しただけでなく、「対決より解決」で様々な具体的な成果をあげています。昨年新設された「孤独担当大臣」は3年前の参院選で国民民主党が唯一、公約として掲げていました。ウクライナ侵攻後には、ロシアからの原油の輸入を一旦停止すべきだと最初に声を上げ、その後実現しましたし、オンライン国会実現に向けた協議では、憲法56条の「出席」にオンラインを含むとの解釈を国会としてまとめるべきだと私が提案して実現しました。こうした姿勢は有権者にも一定程度、伝わっていると考えます。

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