帯津良一(おびつ・りょういち)/帯津三敬病院名誉院長
帯津良一(おびつ・りょういち)/帯津三敬病院名誉院長

 西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。老化に身を任せながら、よりよく老いる「ナイス・エイジング」を説く。今回のテーマは「テレビと新聞」。

*  *  *

【必要なし】ポイント
(1)最近は、テレビを見ないし、新聞も読まなくなった
(2)テレビにしても新聞にしても、実はいらなかった
(3)86歳になってみると、もう余分な情報はいらない

 80歳代も後半に入って、何か変わったことはないだろうかと考えていたら、ひとつ思いつきました。以前からそういう傾向はあったのですが、ここのところはっきりしてきたのが、テレビを見ない、新聞を読まないということです。

 わが家にテレビが来たのは、1964年の東京オリンピックのときです。外科医としての仕事が忙しかったのですが、マラソンのゴールシーンはテレビで観ました。円谷幸吉選手がゴール目前にして抜かれて3位になったのは印象的でした。

 昔はプロ野球大相撲が好きだったので、テレビでよく観ていました。

 プロ野球はなんといっても長嶋茂雄さんです。彼と私は同学年なんです。彼のグラウンドでの一挙手一投足すべてが好きでした。そのせいか長嶋さんが巨人軍の監督を辞めたあたりから、野球を観なくなりました。

 大相撲も大鵬、柏戸、千代の富士あたりは違いましたね。テレビの画面全体に国技としての風格がありました。ところが、最近は日本勢が劣勢になってしまい、観る気がなくなりました。

 映画が大好きですが、テレビのドラマは面白いと思えません。バラエティー番組はまったく関心が持てないので、あとテレビを見るとしたら、ニュースぐらいです。

 ニュースは病院の食堂で晩酌するときや、自宅で就寝前や早朝に見ることがあったのですが、それも最近は見なくなりました。きっかけはコロナです。コロナに関するニュースは、専門家といわれる人たちがメディアと一緒になって、人々の不安を煽っていて不愉快です。一方で本当に大事な自然免疫を高めるといったことは、誰も触れません。こんなニュースは見ないことにしました。

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帯津良一

帯津良一

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中

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