岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office

 動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、高知県土佐清水市の「おセンチにゃ日もある」です。

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撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office

 風や波に侵食された岩が、龍の骨のような奇岩奇勝となった竜串(たつくし)海岸。荒涼とした雰囲気が漂うが、近くのギャラリーで暮らす仲良しコンビ、いちびとはなにとっては最高の遊び場だ。

 崖を駆け上ったりかくれんぼをしたり、冒険・探検に夢中なおてんば娘たち。だが互いの姿が見えなくなると、すぐに鳴いて探す。無事再会を果たし、うれしそうに顔を擦り合わせた。

 この日、いちびは海を眺めていた。はなはそっとその場を離れる。ときには一匹でたそがれたい、乙女心を察したのかな。

週刊朝日  2022年4月1日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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