帯津良一(おびつ・りょういち)/帯津三敬病院名誉院長
帯津良一(おびつ・りょういち)/帯津三敬病院名誉院長

 西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。老化に身を任せながら、よりよく老いる「ナイス・エイジング」を説く。今回のテーマは「こころの疲れをとる」。

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【私の場合】ポイント
(1)私流「こころの疲れをとるヒント10」を考えてみた
(2)まずは「立ち働く」。疲れたら、逆に天職に没頭する
(3)「食」と「性」の営みこそが生命のパワーを高める

最近見かけた雑誌のタイトルに「こころの疲れをとるヒント50」というものがありました。それを読みながら、私自身のことを考えてみました。私だって、こころが疲れることがあるのです(笑)。以下に私流「こころの疲れをとるヒント10」を紹介します。

【1】まずは、「立ち働く」ことです。やはり、私は仕事が好きなのです。こころが疲れてきたら、逆に天職に没頭したほうがいいのです。患者さんのために、より一層こまめに動くようにします。

【2】次に、こころから「おいしい」と思うものを食べます。私の場合、シングルモルト・ウイスキーで口を湿らせながら、桜やわらび餅を食べるのがいいですね。

【3】「生ビールを飲む」。また酒かと言われそうですが、生ビールはこころに直接、響きます。夏でも冬でも、朝でも夜でもいいのです。ただし、あくまで生のビールです。

【4】「馴染みの店に行く」。この場合も飲みに行くわけで、また酒なのですが(笑)、馴染みの店で杯を傾けると、こころが安らぎます。埼玉県川越市内では家庭料理のSさんなど5軒、都内では鰻料理のIさんなど4軒ほど、馴染みの店があります。一人で行ってもいいのですが、こころが疲れているときは連れがいたほうがいいですね。

【5】「憎からず思っている女性とハグをする」。女性の色気というものは、何歳になってもいいものです。見ているだけでもいいし、触れられれば、なおさらいい。でも一線を越えると、いろいろストレスになることが生まれるので、ハグが最高なのです。一緒に一杯やった後、ハグをして別れます。ハグで満足できるようになったのは、年の功でしょうか。

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帯津良一

帯津良一

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中

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