本を一緒に眺める秋篠宮さまと悠仁さま(宮内庁提供)
本を一緒に眺める秋篠宮さまと悠仁さま(宮内庁提供)

 宮内庁は2月16日、秋篠宮家の長男・悠仁さま(15)が筑波大附属高校(東京都文京区、以下筑附)の入学試験に合格したと発表した。皇族が学習院以外の高校へ進学するのは戦後初めて。未来の天皇が通う筑附とは、いったいどんな学校なのか。

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「自由で良い学校ですよ。制服もなく私服で、ふらっと授業を抜け出したとしても目立たない。茗荷谷でお茶したり、池袋あたりでうろついたり。『これってどうなんですか?』と先生に議論を吹っかける生徒もいた。教員の質も高く、授業もおもしろかった。3年間楽しんで、自分の好きなことを見つけられる高校だと思います」

 1990年代に筑附に通ったOBがそう振り返る。

 悠仁さまが現在通うお茶の水女子大学附属中学校の目と鼻の先にある筑附は、筑波大学附属駒場(東京都世田谷区)、同附属坂戸(埼玉県坂戸市)と並ぶ、筑波大学の附属高校の一つ。モットーは「自主・自律・自由」で、校則もほとんどない。受験のための学力だけでなく、生徒の総合力を重視した教育を掲げる。卒業生には能楽師の野村萬斎氏、経済評論家の藤巻健史氏、参院議員の片山さつき氏ら、多彩な著名人が名を連ねている。上皇后美智子さまの父である正田英三郎氏や弟の修氏も同校の出身だ。

 興味深いのは、毎年6月に学習院高等科と各運動部同士が競い合う「定期戦」が行われること。両校の間で70回も続く伝統の行事だというが、奇妙な因縁を感じてしまう。

 都内屈指の進学校でもある。偏差値は70を超え、大学合格実績は2021年度入試でも東大29人(うち現役22人)、京大8人(同3人)、国公立大医学部25人(同17人)。1学年約240人のうち約3分の2は同附属中学からの内部進学者が占め、高校からの進学者は「高校外部」と言われるという。前出のOBが語る。

「小中学校からの内部進学者には親が医師や弁護士など裕福な家庭の子が多く、ブランド物の服を持っている人もいた。高校外部は服や持ち物が庶民派な子が多かったけれど、みんなものすごく勉強ができる。高校受験で積み上げた学力の余力で早稲田や慶應に入れてしまう感じで、1、2年で部活を一生懸命やっていても現役で東大に合格する人もいました」

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