岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office

 動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、モロッコ・マラケシュの「みんにゃ生きている」です。

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撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office

 マラケシュの中心地、ジャマ・エル・フナ広場は「死者たちの広場」という意味。かつての処刑場は、今や無数の屋台がひしめく巨大な迷路と化している。

 早朝、動き始めた広場の奥からメス猫が歩いてきた。ジュース屋の前で腰を下ろすと、屋台の主人が出てきてミルクを置いた。隣の屋台の下から、わらわらと子猫が出てくる。彼女の子たち。母猫と一緒に、こぼしながらも懸命にミルクを飲む。

 次の食事を得るため、母猫は再び雑踏に消えた。ひたむきに生きる彼女に、胸が熱くなる。

週刊朝日  2022年2月25日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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