本誌連載のファッションチェックでおなじみ、ドン小西さん。手がけたブランドは、国際的評価を受け、大ブームを巻き起こしました。作家・林真理子さんとの対談では、「みんなに夢を与えることを忘れてる」著名人の装いへの提言、デザインへの思い、ファッションのあるべき姿まで、持論を展開。約20年前から、「ドン小西節」は健在で──。週刊朝日ゆかりの人のこれからの100年を生きる言葉を送ります。2003年10月10日号掲載

「イケてるファッションチェック」(2001年1月~)

*  *  *

林:「週刊朝日」の小西さんの連載(「イケてるファッションチェック」)、大人気ですよね。私もおしゃれすると、「小西さんなら何て言うかな」って思いますもの(笑)。

小西:あの連載は字数が少ないから苦労してるんですよ。その人の特徴をスパッ!スパッ!ととらえなきゃならないし、また言うからには「こうしたほうがいい」とアドバイスをしなければならない。

*中略*(以下、*)

林:確かにスターは貧乏ったらしい格好じゃなくて、庶民にサービスしてほしい。

小西:そう。何のために人の何百倍もの収入を得ているのかって言いたいね。みんなに夢を与えることを忘れてる芸能人やスポーツ選手、多いんだよねえ。

林:私、がっかりしちゃうのが、私服がダサい芸能人。

小西:僕、いやらしいから、控室からタレントさんが私服で出てくるところ見てるの。そのときにピッピッとチェックしちゃう。2秒あると、だいたいチェックできるね。すぐわかるよ。「こんな私服じゃ、この人、あと2、3年で消えるな」って。

林:コ、コワイ。

小西:僕、29歳で独立して会社つくって8千万の借金をして、そのときは死のうかと思った。だけど30代で資産2億を築いて、40代では12億の資産を得たんです。

林:12億円! す、す、すごい。

小西:ミラノやニューヨークでコレクションして、ニューヨークにもオフィスを持って。ふっと後ろを見ると、もういらないというぐらい、人とお金がくっついてくるわけ。

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