神尾楓珠さん(撮影/写真部・東川哲也)
神尾楓珠さん(撮影/写真部・東川哲也)

 先の見えないこんなご時世でも、先が楽しみなスター候補たちは大勢いる。今まさに蕾をほころばせる彼、彼女らは今年、どんな大輪の花を咲かせるだろうか。「2022年の顔」として、俳優の神尾楓珠さんに抱負を聞いた。

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“国宝級”とも評される端正な顔立ちに加え、演技力も折り紙つき。22歳にして主演作多数の人気若手俳優、神尾楓珠に「俳優は天職?」と尋ねると、「全然思わないです(笑)」と返ってきた。

「根が恥ずかしがり屋で引っ込み思案なので、人の前に立つのが得意じゃない。向いてないです。でも芝居を通じて、普通に生きていたら出ないような感情を出すのが楽しくて。僕自身は情熱とかがあまり外に出るタイプじゃないので」

 高校1年で俳優を目指し芸能事務所の門をたたいたのは、部活で打ち込んできたサッカーに限界が見えたから。

「代わりに何か夢中になれるものがほしかったんです。最初のころ、芝居することはすごく恥ずかしかった。でも高校を卒業して社会人になったとき、ちゃんと向き合わなきゃなって思って。恥ずかしがってる場合じゃない。ようやく仕事という意識が芽生えました」

 抑揚が少なめの落ち着いた口調に、強く鋭い眼差し。その印象はまさに“クール”だが……。

「クールっちゃクールですけど、ずっと斜に構えてるわけじゃない(笑)。顔のつくりのせいでそう思われるだけです。友達といるときはずっと笑顔ですよ。喜怒哀楽だったら、楽が一番出やすい」

 驚いたことに、神尾は自分の顔を「全然好きじゃない」と話す。

「もっとやわらかい顔がよかったです。やっぱり目が強いから、普通に見てるだけでにらんでるように思われるんですよね。友達に『怒ってる?』って気を遣われたり、先輩に『何見てんだよ』って言われたり。話しかけづらいからか、バレンタインでチョコをもらったり告白されたりっていう経験もあまりないです」

 だがそのルックスは画面越しでも強い印象を与え、自然と人を魅了する。

 今年も主演作の公開が続々と控えるが、目標はあまり持たないようにしているそうだ。

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大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

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