「今後はデイサービスを展開する企業や、薬局問屋などと連携して、普段、手芸と接点のない人にも手にとってもらえるよう、アプローチしていく予定です」(畑中さん)

ツイッター(@CodaMahoney)やYouTubeに、編んだ作品や編み方動画などを投稿している「爆編み爺 Coda」さん(本人提供)
ツイッター(@CodaMahoney)やYouTubeに、編んだ作品や編み方動画などを投稿している「爆編み爺 Coda」さん(本人提供)

 ツイッターやYouTubeで編んだ作品を紹介している“アラ還”の「爆編み爺Coda」さんは、編み物歴50年の大ベテラン。

 実は長年、自分が編み物をしていることをあまり人に言わずにいたが、19年10月にツイッターに「『男のくせに編み物なんて!』とよく言われました。でも今は恥ずかしくありません。自分らしくて良いと思います。『個性』は『魅力』です」と、自分で編んだカーディガンやストールの写真とともに投稿したところ、大反響があった。

「ゲイであったことも、編み物のことも明かしていませんでしたが、どちらも自分。編み物は自分の人生に寄り添い、支えられてきた大事なものなので、思い切ってツイートしたら、好意的に受け止めてもらえました」(Codaさん)

 編み物講師だった母の影響で、独学で編み物を習得した。カラフルな色使いが特徴で、さまざまな作品を作り出している。

ツイッター(@CodaMahoney)やYouTubeに、編んだ作品や編み方動画などを投稿している「爆編み爺 Coda」さん(本人提供)
ツイッター(@CodaMahoney)やYouTubeに、編んだ作品や編み方動画などを投稿している「爆編み爺 Coda」さん(本人提供)

 Codaさんは、編み物の楽しみとして(1)ヒーリング効果(2)ワクワク感(3)実用性(4)プレゼントするよろこび(5)人との交流──を挙げる。

「編み物をしていると精神的に落ち着き、ヒーリング効果が得られます。編んでいるときは完成が楽しみですし、完成したら使えるので実用的です。人にプレゼントしたらよろこんでもらえます。SNSを使うようになって、編み物仲間ができて、お互いの作品を見せ合う楽しみができました。編み物の素晴らしさを実感しています」(同)

 編み物といえば長らく女性の趣味という印象が強かったかもしれないが、本来はトーマス・デーリー選手やCodaさんのように、性別関係なく楽しめるもの。この冬、「脳トレ」も兼ねて、編む楽しみを味わってみては。(ライター・吉川明子)

週刊朝日  2022年1月28日号