上田慎一郎さん(右)と林真理子さん (撮影/写真部・松永卓也)
上田慎一郎さん(右)と林真理子さん (撮影/写真部・松永卓也)

「カメラを止めるな!」で一躍脚光を浴びた上田慎一郎監督。作家・林真理子さんとの対談では、独学で監督を目指した「カメ止め」以前のこと、社会現象を自覚したヒット後のことなど盛りだくさん。

【上田慎一郎監督の写真をもっと見る】

前編/上田慎一郎・最新作は男性器が飛ぶ? 制作のきっかけは“妻の言葉”】より続く

*  *  *

林:私、「カメ止め」は映画館で見たんですけど、前の上映回が終わって人がぞろぞろ出てきたら、向こうから「ぴあ」の社長(矢内廣氏)が来たんです。「おもしろかったですか?」って聞いたら、「いやあ、おもしろかったよ」とおっしゃるので、こういうのが社会現象ってことなんだな、と思いましたよ。映画館で知り合いとすれ違うってめったにないし。

上田:僕、「『カメ止め』って映画、見たことあります?」って聞かれたことありますよ。

林:えっ、そんなことが。

上田:「あります!」って言いましたけど、「これが社会現象なんやな」と思いました(笑)。

林:それはすごくうれしいですよね。最高ですよ。私もそんな目にあってみたいな。

上田:僕、子どもがいるんですけど、壁に「カメ止め」のキーホルダーがかかってるのをベビーシッターさんが見て、「上田さん、『カメ止め』好きなんですか? 私、3回ぐらい見に行きました」って言われて、「僕がつくったんです。ここで撮影したんです」って(笑)。

林:あれ、ご自分のおうちなんですか。ちょっとショボい1LDKぐらいの……。

上田:そうです。ショボい1LDKです(笑)。

林:今は引っ越しました?

上田:引っ越しました。都心のほうへ。

林:よかったですね(笑)。いまもちゃんと結婚指輪をしていて、すてきです。

上田:妻も映画監督をやっていて、「カメ止め」のときはポスターなんかをつくってくれました。

林:そうなんですか。そういえば、「あの主演女優さんが上田監督の奥さんだよ」って、間違えてる人がけっこういましたよ、当時。

次のページ