監督 リドリー・スコット/14日からTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開/159分 (c) 2021 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.
監督 リドリー・スコット/14日からTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開/159分 (c) 2021 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.

 現代のファッションブランドの元祖と呼ばれるグッチの創業者一族の実話を、現代の歌姫レディー・ガガ主演で描くサスペンス「HOUSE OF GUCCI(ハウス・オブ・グッチ)」。監督は「エイリアン」「グラディエーター」など多くのヒット作を手掛けてきたリドリー・スコット。

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 1978年のイタリア・ミラノ。貧しい家庭出身だが野心的なパトリツィア(レディー・ガガ)は、あるパーティーでマウリツィオ(アダム・ドライバー)と出会う。ファッションブランドGUCCIの創業者の孫で、イタリアで最も格式の高い家の後継者でもあった。パトリツィアはその知性と美貌で彼を魅了し、やがて結婚する。

 そこにマウリツィオの父ロドルフォ(ジェレミー・アイアンズ)、その兄で実質上のトップのアルド(アル・パチーノ)、その息子パオロ(ジャレッド・レト)が複雑に絡んでくる。パトリツィアは次第にブランドの仕事に口をはさみ、支配的になっていく。そして少しずつGUCCIから創業者一族を追いやってしまうが。

監督 リドリー・スコット/14日からTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開/159分 (c) 2021 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.
監督 リドリー・スコット/14日からTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開/159分 (c) 2021 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.

本作に対する映画評論家らの意見は?(★4つで満点)

■渡辺祥子(映画評論家)

評価:★★★

話は覗き心を十分に楽しませてくれるが、俳優陣の層の厚さほどにドラマに厚みのないのが惜しい。これぞソープオペラで、あんな女と結婚しなければ、こんな話にはならなかった、というあんな女を演じるガガさまが見もの。

■大場正明(映画評論家)

評価:★★★

ヒロイン像など土台となる実話に脚色が施され、豪華キャストの過剰な演技と相まって、ブラック・コメディーと見ることもできる仕上がり。野心的で存在感を放つガガと、つかみどころがないアダムの組み合わせが面白い。

■LiLiCo(映画コメンテーター)

評価:★★★★

成功と名誉とお金のことしか考えない女。キツく見えるけどアイデアに溢れて、行動力もあった。最後は行き過ぎだけど、仕事面では刺激になりました。でも忘れてはいけないのは行き過ぎた理由は愛だったこと。音楽が最高!

■わたなべりんたろう(映画ライター)

評価:★★★

元が実話とはいえ、これだけギラギラした映画を80歳を超えて監督するリドリー・スコットに敬服。俳優が総じて良いが、ジャレッド・レトはやりすぎ。でもそこが面白くもあり、見世物としての映画の魅力に溢れていて潔い。

(構成/長沢明[+code])

週刊朝日  2022年1月21日号