2021年12月、成年の行事に臨む愛子さま
2021年12月、成年の行事に臨む愛子さま

 美智子さまをはじめ、これまでの皇室を支えてきた女性皇族。その将来を象徴するのが、このほど成年皇族となった愛子さま。自然を愛し、勉学に励みつつ、女性皇族の宿命をも背負う。黒田清子さんとの共通点と、愛子さまの将来、そして決意とは。ジャーナリストの友納尚子氏がレポートする。

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 成年を迎えられた愛子内親王殿下は12月5日に無事に行事を終え、毎冬楽しみにされている天体観測を天皇、皇后両陛下とご一緒になさった。

「見つけた!」。愛子さまは、御所の大きな窓からプレアデス星団、通称「すばる」を見つけて、喜ばれたそうだ。

「すばる」は平安時代に清少納言が書いた随筆「枕草子」にも登場する星で、明るさは控えめながら、青白い美しさで知られている。

 幾つもの星が集まっていることから“結ばれる”などの意味も持つともされるが、見方によっては仲良く楽しそうにも映る。

 愛子さまはこの星たちを見ていると、希望が感じられるという。成年皇族となって初めての天体観測は、これまでとは違って見えたのだろう。輝き続ける星々を見つめられるお姿からは、成年皇族としての決意が感じられたそうだ。

 愛子さまが星を好きになったのは、天体観測をよくなさる陛下の影響だった。皇太子時代から妹の清子内親王殿下(黒田清子さん)ともよく望遠鏡や双眼鏡で夜空の星を眺められたという。

「紀宮さまも愛子さまと同じように、明るい光を放つ星よりも少しぼんやりとした光だけども美しい星が好きだといわれました。皇太子さまとは仲が良かったため互いに星の名前を言い当てたり、探されたりしながら楽しい時間を過ごされた思い出がおありになるそうです」(元宮内記者)

 愛子さまが成年の行事で着けたティアラは、清子さんからの快諾を得た借用というだけでなく、ともに天皇家の長女として生まれ、お育ちになったお二人の「歴史の継承」でもあった。

 祝賀にご夫妻で出席なさった清子さんは、愛子さまの佇まいをしっかりと見届けられていたそうだ。優しさの中に皇族というものへの思いが託されていたのかもしれない。

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