林芳正外務大臣(左)と林真理子さん (撮影/写真部・戸嶋日菜乃)
林芳正外務大臣(左)と林真理子さん (撮影/写真部・戸嶋日菜乃)

 学生時代はバンドでプロを目指し、オペラを原語で歌い上げる林芳正外務大臣。そんな多才な大臣にも「欠点」があるといいます。作家・林真理子さんとの対談で明かしました。

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真理子:プライベートでは、林大臣、テノール歌手になるか政治家になるかで迷って、歌手は才能がないとわかって、途中であきらめたという話を聞きました。

林:それは若干出来すぎな話ですね(笑)。高校生のときにバンドを一生懸命やってまして、自分ではうまいと思ってたんです。大学で東京に来て、学校のサークルに入って、カセットテープに自分でつくった曲を録音してレコード会社に応募したりしたんですが、こっちにはうまい人がいっぱいいるんですね。それで、やっぱりプロのミュージシャンになるのは無理だなと思って、大学1年の夏ぐらいにあっさり諦めて、音楽は趣味、ということにしたんです。

真理子:そうなんですか。

林:「テノール歌手」とおっしゃったけど、私は合唱をやってまして、パートはバリトンなんです。

真理子:以前、亡くなった中村紘子さん(ピアニスト)のおうちで、文化庁長官とか次官とかが集まる非常にセレブな音楽会があって、大臣もそこにいらっしゃいましたよね。なぜか私もいましたけど、みなさんピアノを弾いたりクラシックを歌われたり、とにかく芸がないとダメなんですよね。

林:外務省の元次官とか経産省の元次官がピアノを弾いたりする中で、私は母が紘子さんと親しかったので、半分親孝行のつもりで母の相手をして、ソプラノとバリトンとの二重唱をやりました。

真理子:とてもお上手だったのを覚えています。「星は光りぬ」(プッチーニのオペラ「トスカ」のアリア)を歌われた気がします。

林:それとオッフェンバックの「ホフマンの舟歌」と、2曲ぐらいやりましたかね。

真理子:しかも原語で。

林:カタカナをふってもらって、一生懸命練習しました(笑)。

真理子:「誰も寝てはならぬ」(プッチーニのオペラ「トゥーランドット」のアリア)をイタリア語で歌われたのも拝見したことがありますが、すごいなと思いましたよ。政治家の方が文化的な豊かさを持ってくださってるって、私は素晴らしいことだと思うんです。たとえば外国にいらっしゃって、あちらの方とオペラを一緒にごらんになったり音楽の話をするって、とても大切なことですよね。

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