八嶋智人(撮影/写真部・高橋奈緒)
八嶋智人(撮影/写真部・高橋奈緒)

 明るい笑顔と気さくなパーソナリティーで、場を和ませてくれた俳優・八嶋智人さん。作家・林真理子さんとの対談では、次の舞台「ミネオラ・ツインズ」の話や、ジョージ・ルーカスに英語で取材したエピソードを明かしてくれました。

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林:八嶋さんはシス・カンパニー(舞台制作・俳優のマネジメントなどを行う芸能事務所)に所属なさっているんですね。初めて知りました。今度のシス・カンパニー・プロデュース公演の「ミネオラ・ツインズ」(スパイラルホール 2022年1月7~31日)というお芝居、ちょっと難しそうな作品ですね。

八嶋:1950年代から80年代にかけてのアメリカを舞台にしたお話で、ミネオラという小さな町で育った性格が真逆の双子の姉妹を、大原櫻子さんが一人で演じるんです。そして小泉今日子さんが、その時代その時代の大原さんのパートナーを演じます。それは時代によって、女性であったり男性であったりさまざまなんです。そして、大原さんが演じる双子の姉妹にはそれぞれ14歳の息子がいるんですが、僕はなんとその役なんです。今回の舞台は、ちょっとトリッキーな仕掛けになってます。

林:へぇ~、おもしろそう。

八嶋:そのときどきの時代を背景に、双子の姉妹の片方は、結婚こそが人生のゴールで、男性に追従して生きるタイプ。もう片方は真逆で、男の子たちと自由につき合ったり、酒場でウェートレスとして働いたりする奔放なタイプなんです。

林:そうなんですか。私たち日本人からすると、アメリカの女性は自由で生き生きしてるように見えるけど、実はアメリカでも、50年代から「女性は家庭にいるべきだ」という意識がずっとあったんですよね。

八嶋:そういう家庭生活に憧れる女性もいる一方で、反発する女性もいて、60年代になるとヒッピーの運動とかフリーセックスという概念が出てきたんですね。そういう時代背景の移り変わりの中で、まったく性格が違う双子の姉妹の生きざまをギュッとコンパクトにお届けしたいので、僕ら3人は相当忙しく動かなきゃいけないんです。

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