監督 パオロ・ソレンティーノ/12月3日からイオンシネマほか全国公開。15日からNetflixで配信開始/135分
監督 パオロ・ソレンティーノ/12月3日からイオンシネマほか全国公開。15日からNetflixで配信開始/135分

「グレート・ビューティー 追憶のローマ」でアカデミー賞外国語映画賞を受賞した現代イタリアの巨匠ソレンティーノ監督の自伝的作品「The Hand of God」。父親役でイタリアを代表する名優中の名優トニ・セルヴィッロが出演している。

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 1980年代。イタリア・ナポリでは誰もがマラドーナの話で盛り上がっていた。伝説のサッカー選手が、奇跡的にも地元の弱小チームに移籍してくるというのだ。希望に満ちた空気で街は溢れ、17歳のファビエット(フィリッポ・スコッティ)もそうした雰囲気にどっぷり浸り、内気で学校生活にはなじめないながらも、そこそこ悪くない人生を送っていた。

 しかしある日突然、運命のいたずらのように悲劇的な事故でファビエットの両親が亡くなる。サッカーの試合を観に行っていたがために難を逃れたファビエット。悲しみに打ちひしがれる日々を送る中、さまざまな出会いを経て、やがて彼は映画製作に夢を求めていくようになるのだった。

監督 パオロ・ソレンティーノ/12月3日からイオンシネマほか全国公開。15日からNetflixで配信開始/135分
監督 パオロ・ソレンティーノ/12月3日からイオンシネマほか全国公開。15日からNetflixで配信開始/135分

本作に対する映画評論家らの意見は?(★4つで満点)

■渡辺祥子(映画評論家)

評価:★★★★

隣近所や周辺の人々、庶民の人間模様を語りながら映画監督志望の少年の成長していく姿を組み立てて興味深い。愉快でちょっとおかしな人物像とエピソードのオンパレード。久しぶりにイタリア庶民が元気な映画を楽しんだ。

■大場正明(映画評論家)

評価:★★★★

異才ソレンティーノが10代の頃に体験した悲劇とあらためて向き合う自伝的作品。美しい映像に故郷ナポリへの様々な想いを詰め込んだ本作を観ると、監督として喪失の痛みや自己の解放を掘り下げる理由がよくわかる。

■LiLiCo(映画コメンテーター)

評価:★★★

なんだか本当にすごいものを観た、としばらく立ち上がれず座ったままでした。ドライな笑いのあるエピソードもあれば、理解に苦しむものも。それで良いんです。映画史に残るかは微妙だけどこの世界観を味わう価値あり。

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