※写真はイメージです (GettyImages)
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 結婚式で「死が二人を分かつまで……」と誓いを立てるが、離婚しなければ、いずれはどちらかが先に亡くなることになる。もしも自分が配偶者に先立たれたとしたら、どうなるかを考えたことがあるだろうか?

【アンケート結果】配偶者とどちらが先に死にたい?

 日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団が、20~70代の既婚者の男女計694人に、自分で死の時期を決められるとしたら、配偶者より「先に死にたい」か、「後に死にたい」かを尋ねたところ、「先に死にたい」を選んだ男性は78.3%なのに対して、女性は約半数の49.9%だった。

(週刊朝日2021年11月26日号より)
(週刊朝日2021年11月26日号より)

 女性は50代までは男性同様に「自分が先に」が多かったが、60代以上で逆転。「自分が後に」が多くなり、70代では67%を占めている。

「50代以下が男女とも『先に死にたい』を選んでいるのは、配偶者が早く亡くなった後、自分が一人取り残される恐怖が強いから。でも、残された人生はその後も続いていきます」

 そう話すのは、シニア生活文化研究所代表理事の小谷みどりさん(52)。自身も10年前に夫(当時42)を突然死で失った。

「朝、起きている気配のない夫に近づくと、すでに死んでいました。私は第一生命経済研究所で、お葬式や死の迎え方など、死の前後にまつわるテーマで研究をしていました。でも、夫を亡くしてはじめて、配偶者と死別した人はその後、一人でどう生きていくかという問題をなおざりにしていたことに気づきました」(小谷さん)

 死別して3日後、50歳以上を対象とした立教セカンドステージ大学で、死に関する講義を担当することになった。そこで夫と死別したことを受講生に話したのがきっかけで、同じく配偶者を亡くした受講生同士で「没イチ会」を結成。現在は約25人が参加し、親交を深めている。

「この会は『死んだ配偶者の分も、2倍人生を楽しむ使命を帯びた人の会にしよう』というもの。雑談ばかりの飲み会で、身の上話をしたい人はすればいいし、したくなければ聞き役に回ってもいいんです」(同)

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