ゴルファーの丸山茂樹さんは、久々に結果を残した渋野日向子選手に期待を寄せる。

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丸山茂樹
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 国内女子ツアーの「スタンレーレディス」(10月8~10日、静岡・東名CC)で、渋野日向子さん(22)が686日ぶりに優勝しました。日米通算5勝を挙げた2019年以来の優勝に、涙もありましたね。

富士通レディース第1ラウンド、8番でティーショットを放つ渋野日向子選手 (c)朝日新聞社
富士通レディース第1ラウンド、8番でティーショットを放つ渋野日向子選手 (c)朝日新聞社

 プレーオフに持ち込んで粘って、素晴らしい優勝だったと思います。彼女は大幅なスイング改造に取り組んで苦労してきました。改造したのがよかったのか悪かったのかってのはもう、彼女の中の満足度だけが指標ですよね。言えるのは今回優勝したから改造してよかったというのではなく、今回はまず、ファーストステップとしての証しをつくったということでしょう。

 あとはこのパフォーマンスが安定して続くかどうかですね。自分のスイング改造の決断が正解だったとみんなに示すには、もっと頑張らないといけないですね。2年前の全英女子オープンの優勝が衝撃的だったこともあって、渋野選手にかかってくる期待というのは、かなり大きいですから。ここからですね。

 国内男子ツアーの「ブリヂストンオープン」(10月7~10日、千葉・袖ケ浦CC袖ケ浦コース)では28歳の杉山知靖がツアー初優勝を飾りました。この2、3年はいいところにきてたんで、非常にいいゴルフをする選手だなと思ってました。

 ここからが彼のゴルフ人生で大事になると思います。何でも一緒でしょうけど、何年も現場で地に足を着けて頑張るってことが大事なことなんで。突発的な優勝ってのは誰にでもありますし、言い方は失礼ですけど1回や2回勝てる人ってのは山ほどいるわけで。でも長年ツアーでビシッと頑張るってことの大切さをしっかりとかみしめて、飛躍していってほしいと思いますね。

 母子家庭で育って、お母さんに恩返しをという気持ちが強いみたいですね。まずはプロゴルファーとしていつも戦ってる姿を見せることで、お母さんは喜んでくれると思います。いい親孝行をしていってほしいと思いますね。

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丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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