左から、稲田朋美氏、志位和夫氏、河野太郎氏 (c)朝日新聞社
左から、稲田朋美氏、志位和夫氏、河野太郎氏 (c)朝日新聞社

 人の話をよく聞くことを特技とする総理大臣が誕生した。ならば総理、本誌読者の声を真剣に聞いていただけまいか。永田町にいてはわからない国民の感覚を知ることができるから。ご自身の存在感の希薄さを認めるのは嫌かもしれないけれど。

【アンケート結果】好きな政治家・嫌いな政治家は?

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 やはり河野太郎氏は強かった──。

 本誌が行った「好きな政治家、嫌いな政治家」アンケート。「好き」の1位に輝いたのは、先の自民党総裁選で敗れた河野氏だった。その他にも「好き」にランクインした政治家の名前を見て、政治ジャーナリストの角谷浩一さんが驚きの声を上げた。

(週刊朝日2021年10月22日号より)
(週刊朝日2021年10月22日号より)

「永田町の常識と国民の感覚とのズレを感じます。政界にいる人たちでは予想できない顔ぶれ。皆、ブレない人であるのがポイントですね。反タカ派が多く、全体のトレンドとして“安倍疲れ”があるのではないでしょうか」

 河野氏が好きな理由として、以下のような声が届いた。「一番政務に取り組んでいる」(26歳・徳島県・男性)、「改革してくれそうだ」(56歳・神奈川県・男性)、「行動力と発言力と誠実さ」(65歳・福岡県・男性)、「発信力があり革新的」(82歳・福岡県・男性)

 総裁選で河野氏支持に回った石破茂氏も「好き」で4位にランクイン。

「政権与党にいながらも総理や政府に物申す姿勢を持っている」(46歳・秋田県・男性)、「真剣だから」(70歳・栃木県・女性)、「国民に寄り添ってくれる。流されない人」(60歳・岐阜県・女性)

 さて人気の河野氏を抑えて総理総裁の座に就いた岸田文雄氏だが、なんと「好き」9票、「嫌い」2票で、ともに十傑の圏外。つまりはちっとも関心がないということ。「嫌い」ランキングで金銀銅に輝いた歴代首相と違い、悪役ですらない。

 作家の鈴木涼美さんはこの結果を見て、

「岸田さんは、まるで『半沢直樹』に出てくる体制側の悪の手下みたいです。国民が感想を持てないような人が、総理になるシステムを見直すべきでしょう。そういえば子どものころに見ていた総裁選でも、一番印象の薄い人が勝っていましたよね。小渕(恵三)さんとか。私たちのあずかり知らないところで首相が決まってしまうんです」

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