自宅リビングに並ぶ美咲ちゃんの写真ととも子さん。情報提供は山梨県警大月警察署(TEL0554―22―0110)へ。家族が開設したHPアドレスはhttps://misakiogura.com/
自宅リビングに並ぶ美咲ちゃんの写真ととも子さん。情報提供は山梨県警大月警察署(TEL0554―22―0110)へ。家族が開設したHPアドレスはhttps://misakiogura.com/

 SNSでの書き込みが原因で自殺したプロレスラー、木村花さん(当時22)をめぐる報道を機に、ネット中傷の被害者が訴訟に踏み切る例が相次いでいる。2年前に山梨県で行方不明になった小倉美咲ちゃん(9)の母・とも子さん(38)もその一人だ。思いを聞いた。

【小倉美咲ちゃんの写真はこちら】

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「今の世の中、誹謗(ひぼう)中傷のターゲットとなる可能性は誰にでもありえます。『普通のお母さん』が声をあげることで、同じように苦しんでいる人たちの励ましになれたらと思っています」

 小倉美咲ちゃんの母、とも子さん(千葉県成田市)は、しっかりとした口調で語る。とも子さんは、美咲ちゃんがいなくなった直後からインターネット上で中傷にさらされてきた。昨年4月以降、主なブログやツイート主に対して発信者情報の開示請求を始めた。これまでに7件の訴訟を起こし、1件については今年8月、開示を認める判決が出ている。

 とも子さんが美咲ちゃんの名前や顔写真を公表したのは、行方がわからなくなって10日目。だが現実には、いなくなってすぐに美咲ちゃんの名や写真がネットで拡散されていた。

「成田市の小学1年生の女の子が行方不明になったというニュースが翌日に出て、知人から心配する電話やLINEが多数ありました。捜索中で返信できず、代わりに自分が経営するトリミングサロンのインスタグラムで『心配しないでください』と投稿したんです。フォローしていない人も検索できるように、記事に店のハッシュタグをつけました。それが『宣伝』と受け止められ、拡散されてしまいました」(とも子さん)

 捜索5日目、とも子さんは捜索用の馬を写真に撮って「動物が大好きな美咲に」とインスタに投稿し、「不謹慎かもしれませんが」と言葉を添えた。しかし、写真と他の本文が切り取られて拡散し、とも子さんのアカウントには「こんな時におかしい」といったコメントが数千件つき、炎上する事態に。またテレビ番組に出た際、行方不明直後の会見時に比べて髪の色合いが明るく、短くなっていたことから「メディア向けに見た目を整えた」と、非難の言葉がネット上で相次いだ。

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