中村メイコ (撮影/張溢文)
中村メイコ (撮影/張溢文)

 2歳で子役デビューし、テレビの草創期から活躍する俳優・中村メイコさん。作家・林真理子さんとの対談では、親友である美空ひばりさんとのエピソードを明かしてくれました。

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林:中村メイコさんが最近出された『大事なものから捨てなさい』という本、すごく反響が大きいみたいですが、「大事なものから捨てる」という発想がユニークなんでしょうね。2トントラック7台分のものを捨てたんですってね。

中村:はい。それまでは体育館みたいに大きな家(敷地300坪。地上2階、地下1階)に、多いときは7人ぐらいで暮らしてたんですよ。私たち夫婦と子どもたち3人、それに姑(しゅうとめ)と私の母ですね。でも、姑も母も亡くなっちゃったし、子どもたちも独立して夫婦2人だけになっちゃって。それで7年ぐらい前かな、3LDKのマンションに引っ越したんです。

林:ものをポンポン捨てるって、こんなに気持ちいいものだとは思わなかったって、本にお書きになってますけど、お洋服だけでもすごい量だったんでしょう?

中村:私、体が小さいから、もらってくださる方が少ないんです。だから仕方なく捨てました。

林:どのくらい捨てたんですか。

中村:1シーズン30着ぐらい。

林:1年で120着ですか。着物も捨てちゃったんですか?

中村:はい、だいぶ捨てました。

林:いいものがいっぱいあったんじゃないですか。

中村:まあね。着物は並寸だから大体の方が着られるでしょう。林さんもよろしければ着てください。

林:はい。紬(つむぎ)のいいのがあったらぜひ。紬、大好きなんです。

中村:考えてみると、家庭っていらないものがすごくたくさんありますよね。客用座布団とか。あんなのあったって、旅館やってるわけじゃないんだから。

林:でも私、ほんとにものが捨てられないんですよ。特に写真がダメ。有名人と写ってる写真が。

中村:私の場合は、芸歴が古くてほとんどの方が亡くなってますからね。高倉健さんと江利チエミちゃんの結婚式の写真も、2人とも亡くなっちゃってるから、思い切ってハサミで切って捨てちゃいました。でも、生きてらっしゃるうちはなかなかねえ。

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