丸山茂樹
丸山茂樹
もう30歳になるんだなあ  (c)朝日新聞社
もう30歳になるんだなあ  (c)朝日新聞社

 ゴルファーの丸山茂樹さんが、石川遼選手、松山英樹選手について語る。

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 国内男子ツアーの「Sansan KBCオーガスタ」(8月26~29日、福岡・芥屋GC)は、ジンバブエのスコット・ビンセント(29)がトップを守り抜いてツアー初優勝しました。

 1打差の2位には、石川遼(29)が入りました。遼にとっては、1打の重みをまた思い知った試合だったでしょうね。これは運命だなと。

 最終日の17番を終えて、ビンセントまで2打。18番パー5でイーグルを狙った。2打目をグリーンの右エッジにつけ、アプローチにかけましたが、わずかひと転がり足りずにバーディー。

 1打差にされたビンセントは、18番のティーショットでプレッシャーがありあり。左へ打ち込んで、OBかと思われましたが、セーフ。パーセーブして歓喜の瞬間を迎えました。あそこでOBにならなかったのも運命ですよね。ゴルフって面白いなと思いました。

 遼も9月17日で30歳ですか。スイングを改造したり体を進化させたりするのは大事だけど、そろそろ一つビシッと土台を決めておかないと。ずっとそこに追われていってしまうと、確信を得たものを一生つかまないで終わる可能性もあるんでね。逆にそれをつかみさえすれば、今後も優勝やさらなる飛躍があると思いますけどね。

 本人の口からいまだにスイングの話が出てくるってことは、ガッチリと決まってないってことですから。ゴルフって、毎日いろんなことが違ってくるのに対して、自分で少しずつ調整をしていく。そして常にいい状況に持っていくものです。そのときだって、ベースは絶対に変わらない。

 試行錯誤中であの成績を残せるのはすごいと思いますけど、もうそろそろビシッと「俺はこれだ」ってものが決まらないと、アッという間にトシとりますから。30歳からの10年は、とくに早いと思いますよ。

 松山英樹(29)は年間ポイント22位で、30位までが進める米PGAツアー最終戦「ツアー選手権」(9月2~5日、ジョージア州アトランタのイーストレイクGC)へ進出しました。

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丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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