ドン小西
ドン小西
今回の公式服は紳士服メーカーのAOKIが作製。2020年1月に発表されたリリースによると、「ニッポンを纏う」をコンセプトに、上着から靴下まで、最新素材を使った通気性のよさなども特徴=7月23日、東京2020オリンピック開会式で (c)朝日新聞社
今回の公式服は紳士服メーカーのAOKIが作製。2020年1月に発表されたリリースによると、「ニッポンを纏う」をコンセプトに、上着から靴下まで、最新素材を使った通気性のよさなども特徴=7月23日、東京2020オリンピック開会式で (c)朝日新聞社

 7月23日、東京2020オリンピック開会式が行われた。「ニッポンを纏う」をコンセプトに、上着から靴下まで、最新素材を使った公式服装で登場した日本代表選手団。ファッションデザイナーのドン小西さんがファッションチェックした。

【写真】まさかの高機能素材をアピールした日本代表選手団公式服装はこちら

*  *  *

 先進国が集まる国際会議はあるけどさ、五輪みたいに世界中の国の様子が一目でわかる場ってほかにないよね。なかでもその国の状況が、ファッションから一瞬で見えるのが入場行進だよ。

 例えばベルギーみたいに、服の分量感や大胆なプリント、TOKYOなどのロゴまでデザインし尽くした公式服もあれば、イタリアは国旗の色を日の丸に配した折衷デザイン。シンプルだけど時代を感じさせて、どちらの国も余裕が見えるじゃない。

 ところが、我らが日本チームだよ。この場でまさかの高機能素材をアピール。あの広い会場で、誰がそれに気づきます? 一方肝心のデザインは、64年の公式服の配色を上下逆にして、量販店の売れ筋スーツの形に作り直しただけ。これってデザインと呼んでいいのか悩むよな……などなど、日本ってこんな国だったっけ?を、中途半端な演出で何度も感じた開会式。次回やるなら、入場行進と聖火点灯だけでいいよね。ま、100年くらい先の話でしょうが。

■評価は……?
2DON! 「自国開催で1☆おまけ」

(構成/福光恵)

週刊朝日  2021年8月13日号